２０２４年の幕開けにあたり、本紙は中区の小林英二区長にインタビューを行った。昨年度の新規事業のさらなる発展と、防災対策や多文化共生に向けての取り組みを進め、安全・安心で住みやすいまちづくりを進める姿勢を示した。 （聞き手／春田沙映）
――昨年の新規事業「みんながつながる地域づくり事業」では自治会町内会主体のイベントの支援を行いました。その評価は。
「新型コロナウイルスの影響を心配していましたが、５月に５類に移行し順調にイベントが開催できました。今年４月に開校した関東学院大学の横浜・関内キャンパスの学生と区民が連携して行事を運営したり、市民団体による船上のコンサートの開催など、各団体と地域とのつながりがより深まりました。次年度以降も単発で終わるのではなく、いろいろな事業と結び付けた街のにぎわい創出のため、支援を検討していきます」
――「なかくっこすくすくサポート」では各課の子ども・子育て関連事業を区役所が一体となって促進してきました。
「こども家庭支援課以外でも子どもに焦点を当てた事業の工夫ができないかと、職員と議論して始まったものです。共通のロゴマークも作成し、周知を図りました。その集大成が『なかくっこ自由研究大作戦』。市や企業の方にも協力していただき、区役所が集約して自由研究の題材を紹介するリーフレットを作りました。来年度はこのコンテンツの充実を図り、さらに私立や国立の学校など、中区在学や、中区から外の学校に通う皆さんにも広げていきたいです」
安全・安心で住みやすいまちへ
――２０２４年の重点施策は。
「まずは防災対策です。中区は夜間より昼間の人口が多く、休日には来街者も大勢いらっしゃいます。災害が発生したときにどのような課題があるのか、共通認識を持っておくために、各団体と連携し、日頃から訓練や出前講座を活発に行いたいと思います。また、近くの避難所が検索できるアプリ『横浜市避難ナビ』をさらに周知していきたいです。昨年は、地域防災拠点にある、公共下水道に直結した仮設トイレ『災害用ハマッコトイレ』の訓練を行いました。そこで課題などが検証できたので、こうした訓練を継続していきます」
――区の人口の１割強を外国人住民が占める中区。多文化共生については。
「転入の手続きに来られた方には、国際交流ラウンジをご案内し、情報提供などを行っています。また、多文化共生の行動計画『中区多文化共生推進アクションプラン』の次期策定に向けて、外国にルーツのある方が行政に対して何を求めているのかをヒアリングしていきたいです。また、外国の方に対してだけではなく、年齢、性別、国籍、障害の有無にかかわらず、それぞれの違いを認め、お互いを尊重し、みんなが住みやすい共生社会を目指していきます」
――今年の抱負は。
「区民の皆様の生活に必要不可欠な窓口業務や施設の管理などを、改めて気を引き締めて取り組みます。また、中区の街のにぎわいは横浜の街のにぎわいでもあります。地域の活動がますます活発化していくと予想されますので、私もいろいろなところにおじゃまして、交流を広げていきたいです。さらに、２０２７年には国際園芸博覧会、そして中区制１００周年を迎えます。にぎわいを取り戻したり、地元を見直すきっかけとして、区民の皆様と共に機運醸成を図っていきたいです」
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