連載寄稿 イルカ博士の生命感動日記 【5】これまでのまとめ・読者からの質問
前回は、毎日の生活リズムが子どもの「意志」を育てるというお話でした。規則的な暮らしを毎日くり返すことで、こころとからだがウエルバランスしてよく育つと考えられています。リズムができると、大人の暮らしもラクになりますよね。今回は、これまでのお話をまとめました。メールの質問から2つ紹介します。
生物から見た幼児期0歳〜7歳の時期に必要なプロセスについて、ヒトが人間になる課題は2つでしたね。どんなからだを作るか・どんな生活をするかに全て結びつきます。【【1】人間になる=からだを作ること】【【2】自分になる=意志を育むこと】これらのプロセスをいい方向へ持っていくのに必要なのが【生活リズム+大人のお手本】です。生き物の赤ちゃんが、脳の前頭葉が出来上がり成長すると、自分が自分であることに認識して意志を育て「からだ」が出来上がります。すばらしい五感から周りの情報がインプットされ、目が見えて、首がすわり、耳が聞こえ、臭いがわかり、からだのあらゆる部分が発育していく時期。この時期には、まだ眠っている感情や思考を刺激してはいけません。
Qからだが成長するために、赤ちゃんが安心できるものは何ですか?
A「環境」です。赤ちゃんにとっては、大人の会話も夫婦ケンカも静かで穏やかで温かいお部屋も環境です。この時期に「早く、早く」とせかすことよりも「からだ」をしっかり作ることです。それが後に「思考力」を発達させるためにも大切です。さらに幼児期は「まねる、模倣する」時期です。
Qご家庭で生き物である幼児が一番関心を持つものは何ですか?
A「人間」です。私たち大人です。例えば「片付けなさい」と怒るより、大人が楽しそうに片づけている様子を見せる方がいいです。「○○だから○○しなさい」と言葉で伝えても伝わりません。幼児期は全身が感覚器官のため「からだ」全体で受け止めます。ものごとの受け取り方が大人と幼児は全く逆であると考えられています。大人の受け取り方は【思考→感情→意志】、幼児の受け取り方は【意志→感情→思考】。周りの大人が楽しそうにしていたら自然と楽しい気分になるし、逆にイライラしていると子どもは感じ取り嫌な気持ちになるでしょう。子どもが安心して穏やかな成長の流れを抑え込まないように、模倣される側の大人は認識しましょう。
【日本ウエルネススポーツ大学特任教授・岩重慶一
(問)【メール】iwashige@gmail.com】
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