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連載寄稿 イルカ博士の生命感動日記 ㉒「おばあさん仮説」をご存知ですか?

掲載号:2014年6月5日号

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 伝統に科学の光をあてることの魅力について、おばあさん仮説という面白い資料があります。

Q.女性は閉経期を過ぎても、なぜ長く生き続けるのでしょうか?

 生物学では繁殖期と生存期とは並行関係にあり、繁殖期が過ぎても、長く生きることはありえないことなのです。この謎に対して、クリスチャン・ホークス氏らの人類学者は「おばあさん仮説」という考えを発表しました。

 アフリカタンザニアの採取民族では、祖母は子育ての経験と知恵を生かし、採取のむずかしい食物を採り、赤ん坊の世話をして母親の負担を軽減しています。子育てについて母親を援助することは、間接的に母親の繁殖力を高めることになるのです。ですから、人間の女性が繁殖能力に関係なく生き続けることの不思議さは、生物学的に理解できるのです。

 チンパンジーの哺乳期間は5年と著しく長いですが、離乳してから自立まではすぐです。鯨やヒトは哺乳が1年ぐらいと短いですが、自立するまで10年にもおよぶ期間が必要です。このことは人間では巨大な脳にその働きを教え込ませるには大変な仕事(本連載2回目、赤ん坊の人間化)が必要だということです。その巨大な脳を育てるために、おばあさんは閉経期が過ぎても孫のために長生きしているのです。

 現代の母親たちは、ともすると、この大自然の摂理を忘れて、大家族よりも核家族の方が合理主義だとカン違いしています。さらに共働きの中で、おばあさんのいない子育てに孤軍奮闘しているようです。

【日本ウエルネススポーツ大学特任教授・岩重慶一

(問)【メール】iwashige@gmail.com】

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