保土ケ谷区の常盤台地区連合町内会と羽沢南部地区などから提案を受け横浜市が策定を進めていた羽沢横浜国大駅周辺地区のバリアフリー基本構想がまとまった。
市内では初めて
2006年にバリアフリー法が施行されて以降横浜市は、行政が主導する形で各区で基本構想が策定されているが、同地区では住民やNPO法人などが「基本構想素案」を作り市町村に提案できる「住民提案制度」を活用。住民提案によるバリアフリー構想は全国的にみても珍しく、市内では初めてのケースとなる。
19年秋に開業した同駅は23年3月に相鉄・東急直通線の開業が予定されている。周辺地区の民間開発なども進み、生活関連施設の利用者増が見込まれていることから、駅の利用者を含めた駅周辺地区における生活関連施設間の移動などの円滑化を図る必要があった。
常盤台地区では08年から横浜国立大学建築計画研究室と協働で地域の課題解決へ向けたワークショップ(WS)を定期的に開催。国大側からの提案を受けバリアフリー基本構想素案を作成し、19年に市道路局に提出していた。住民参加のまちあるき点検を実施した際は、羽沢南部地区の住民など約40人が参加した。
市は素案提出を受け学識経験者・高齢者・障害者・事業者・行政機関などから成る地区部会を設置。20年から検討を進めていた。その後、WSによる課題整理などを経て基本構想を策定。道路標示の改修や段差解消、視覚障害者用誘導ブロックの敷設、バリアフリートイレの整備などが盛り込まれた。それぞれの施設管理者や事業者は27年度までを目標に整備が求められる。
従前のバリアフリー基本構想は区役所や公共施設など、高齢者や障害者などが利用する施設が集積する地区を含む駅周辺で作成されるが、同地区の基本構想は既存住宅地を対象に、より住民生活に密着した課題に対する整備計画が示されている。羽沢南町内会の和田勝巳会長は「基本構想の策定を契機に区境関係なく住民同士の交流が始まった。これをスタートラインに今後の街の変化に合わせ、住みやすい街づくりを進めていきたい」と話す。
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