「剪定された桜の木で、草木染めをしよう」――。
2016年に開顕80周年を控える宗教法人孝道山本仏殿=鳥越=で4月21日、桜の木を使った草木染めのワークショップが開かれた。
当日は、信徒の大沼愛さん(41)が草木染めに詳しい友人・田中翠さんを講師に招き、参加者と一緒に皮を剥いだ桜の木からとった煮汁にTシャツを漬け込む作業に挑戦。様々な模様に染まるよう、Tシャツを輪ゴムやたこ糸で縛って鍋に入れた。
がん患い命考える
神奈川区内で暮らしていた大沼さんは、大手エステティックサロンに勤務。肌や体に触れて施術する職業であるため、自分自身の心を整えてから出勤しようと、15年ほど前から孝道山で行われている朝の座禅や読経に通っていた。ところが、甲状腺がんが見つかったことで一年半前に退社。手術も受けて、現在は食事療法などをしながら過ごしている。
「一度だけの人生。自分が本当にしたいことをやって生きようと決めた」。大沼さんは2月初旬、桜の名所である孝道山で数年に一度、桜の木が剪定されていることを知る。そこで、自身の闘病体験などから様々な命を大切にしたいと思い、田中さんに声をかけワークショップを企画した。
バザーで販売
「桜が咲く直前の枝には、花に送られる色素が詰まっているから、ピンク色に染まるんです」と大沼さん。染めたTシャツは、6月7日に行われる復興支援バザーで販売される予定だ。
大沼さんと田中さんは「境内には他にも、びわなどたくさん植物があるので、今後も企画していきたい」と話している。
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