横浜市を含む全国12の都市で開催が予定されている2019年のラグビーW杯。新国立競技場の建設計画の見直しで、日産スタジアムでの決勝戦開催も期待されている。しかし、ここに来て日本での開催が白紙になる可能性が浮上。新国立競技場が使用できないことにより、収入が数十億円減る見込みで、減収分を補償するなどの条件を満たさなければならないという。
1980年代は、大学選手権の試合で国立競技場が満員になるほど人気だったラグビー。だが、近年は決勝戦でも観客数が1万人台に留まることもある。国内のチーム数もピーク時から35%減の3千超、神奈川県内ではさらに減少率が高く、今年半数を切った=図。
国内初の試合が行われる等、長い歴史を持つ横浜市でも状況は同じ。「市内にある61チームの中には、人数不足で合同チームを組むしかないところもある」と話すのは市ラグビーフットボール協会の渡辺義信理事長。減少の要因に少子化、危険なイメージ、メディア露出の減少等を挙げる。また中学生世代の競技環境の整備状況にも課題がある。「ラグビー部がある市立中は3校のみ。中学でも本格的に続けたい子は私立に進学するか、スクールに通う道を選ぶほかない状態」
タグラグビー呼び水に
一方で、タックルの代わりに腰に付けたタグを取る「タグラグビー」を行う小学生以下の競技者は増加。けがの可能性が下がることから、授業等でも取り入れられている。「競技者拡大・普及のためには、ラグビーを知り、体験する機会を作らなければならない。まずは導入としてタグラグビーを普及させ、競技者になりうる子どもたち、分母を増やすことから始めている」
日本ラグビーフットボール協会は、戦略計画の中で19年までに競技人口をほぼ倍の20万人に増やす目標を掲げて、競技者育成にも力を注いでいる。
(つづく)
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