江戸時代から続く旧家・高野啓子さん宅=三ツ沢東町5の41=に植わる樹齢300年ほどの梅の木。その古木になる実の収穫祭が6月8日・9日にかけ、高野さんとその友人らの手で実施された。
この企画は、父の他界を機に5年前に実家に戻った高野さんが”旧家の遺産を次世代に残せたら”と思い立ったことから始まったもの。亡き父が梅の実を近隣住民などに配っていたことから、待望する声も多く聞かれたという。呼び掛けで集った友人とともに毎年欠かさず収穫し、近所へ配るほか、各自で持ち帰って古来の梅ならではの”すっぱさ”を活かして梅干しやジャムを作ってきた。
この梅の木は相続による土地分割のため伐採される予定となっており、今年が最後の収穫祭になった。高野さんは「この梅の木は近隣の方にとっても思い出深いようで、『お嫁に来た時に眺めたわ』『三ツ沢で最初に花を咲かせる梅の木ですよね』などと声を掛けて下さる。多くの方の人生に溶け込んでいる事に感動しましたし、木も幸せだなと思いました」と感慨深げに語った。4年前にこの木の存在を知り活動に携わってきた稲見小春さんは「梅を通じ街中に素敵な場所があると知ることができましたし、人との出会いもありました。今後もこうした活動で地域交流を図れたらいいですね」と話した。
神奈川区版のローカルニュース最新6件
|
|
|
|
|
|