感謝状を持つ猪股さん
神奈川区在住の猪股達郎さん（72）が、４月16日に保土ケ谷区で発生した建物火災で人命救助に貢献したとして、保土ケ谷消防署から感謝状を受けた。
建設業に従事する猪股さんは現場で仕事中、50ｍほど先に黒煙が上がるのを見つけた。煙の元をたどると、以前工事に携わった友人宅の近く。「もしや」と思い現場に向かったところ予感は的中し、友人宅から火の手が上がっていた。
家族構成や友人の息子らが家にいる時間帯に心当たりがあった猪股さんは、「息子がまだ中にいるかもしれない」と煙の勢いが増す家の中に飛び込んだ。
「誰かいるのか」と呼び掛けながら屋内をのぞくと、２階の廊下に朦朧とした状態でうずくまる友人の息子を発見。力ずくで引っ張り出して屋外に救出し、到着した救急隊員に引き渡した。男性の命に別状はなかったという。
猪股さんは「一瞬のためらいはあったが、もしかしたら人が中いるかもしれないと無我夢中だった。体が先に動いた」と救出時の状況を振り返る。同消防署の小野寺勝署長は「燃えている家に入るのは勇気がいること。素晴らしい行動をしていただいて深く感謝しています」と称賛した。
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