神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙

  • search
  • LINE
  • MailBan
  • X
  • Facebook
  • RSS

規格外野菜×オークション 藤野で実証実験へ 産学連携で社会課題解決

教育

公開:2023年3月16日

  • X
  • LINE
  • hatena
今年度のプロジェクトメンバーの(左上から時計回りに)石井晃斗さん、石井泰斗さん、北越教授、八木悠河さん、川田るんさん、榊原和哉さん
今年度のプロジェクトメンバーの(左上から時計回りに)石井晃斗さん、石井泰斗さん、北越教授、八木悠河さん、川田るんさん、榊原和哉さん

 規格外野菜をオンラインオークションで販売しようという試みが藤野地区で動き出した。1月には、システムを開発した東京工業高等専門学校(東京都八王子市)の学生、区内に拠点を構えるIT関連企業のアイフォーコム株式会社、緑区役所の職員らが、森のイノベーションラボFUJINO(森ラボ)でキックオフミーティングを開催。産官学連携での社会問題の解決に期待が寄せられる。

 システムの名称は「Vegeoku(ベジオク)」。曲がっていたり、傷が付いていたり、見た目の違いだけで廃棄されてしまう規格外野菜を農家側がオンラインで出品。消費者側がオークション形式で購入し、入札者は農家から現地で野菜を受け取るというもの。

 キックオフミーティングでは、今後の方向性の確認や、フィールドワークとして実際の農家を訪問。意見交換などを行った。現在、システムの最終調整の段階で、体制が整い次第、藤野地区でシステムの実証実験を行う予定となっている。

「フードロス」なくしたい

 同校の北越大輔教授が先導する「規格外野菜の有効活用プロジェクト」は、2019年にスタート。味は問題がないのに、廃棄されてしまう規格外野菜を「技術でどうにかできないか」と、八王子市内の農家から相談を受けたのがきっかけ。フードロスは社会全体の課題であり、SDGsにもつながるとプロジェクトを始動。農家とヒアリングを重ねる中で「規格外野菜は価格がわからないので値付けできない」という言葉をヒントにオークションの仕組みづくりに着手。約1年半で完成させた。

 しかし、多くの実証実験を行いたかったが、実証先が見つからなかった。そのような中、学生の採用を通して交流のあったアイフォーコムに相談が寄せられた。話を聞いた同社は、緑区役所に話を持ち掛け、藤野地区での実証実験を視野に話が進んで行った。

 学生は「相模原市とつながりを持てたことで、止まっていたプロジェクトが動き出し希望を感じた」と話す。さらに、実証実験へ向け、「出品してから購入まで滞りなくできるか。知らない人にシステムが伝わるのか。本当に農家さんが使いやすいのかを確認したい」と話す。北越教授は「この段階で実験して、すぐに使えるまではいかないかもしれない。継続してきたものをフィードバックして失敗して、改良して、ある程度作り上げられれば。実用化でフードロス、規格外野菜がなくなればうれしい」と話す。

研究、採用に期待

 一方のアイフォーコムでは、過去に学生が開発したシステムを譲り受け実用化していることもあり、「中小企業としては、開発コストをかけにくい中で、産学連携により人手やリソースを補える。また、連携することで学生に社をアピールすることにもつながる。研究開発の加速、人材採用の両面で期待したい」と話す。

さがみはら緑区版のトップニュース最新6

ガザの画家を支援

パレスチナ支援団体PHAP

ガザの画家を支援

18日まで、最初で最後の展示販売

1月16日

有料化導入は21%

家庭系可燃ごみ

有料化導入は21%

県内自治体アンケート

1月16日

1,654人が門出

相模原市緑区

1,654人が門出

13日、「はたちのつどい」

1月9日

「良さ」再認識の15周年に

椎橋区長インタビュー

「良さ」再認識の15周年に

「地域とさらに連携を」

1月9日

「蛇の樹」を地域に公開

川尻八幡宮

「蛇の樹」を地域に公開

数年前に伐採のヒサカキ 

1月1日

共生と発展目指す

共生と発展目指す

本村市長インタビュー

1月1日

あっとほーむデスク

  • 8月19日0:00更新 文化

  • 1月11日0:00更新

  • 9月21日0:00更新

さがみはら緑区版のあっとほーむデスク一覧へ

バックナンバー最新号:2025年1月22日号

もっと見る

閉じる

お問い合わせ

外部リンク

X

Facebook