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JR東海 イノベ創出、連携に期待 橋本駅南口に拠点開所

社会

公開:2024年4月4日

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施設に使われている津久井産材を使ったルーバーを手に記念撮影に応じる本村市長(左から2番目)ら関係者
施設に使われている津久井産材を使ったルーバーを手に記念撮影に応じる本村市長(左から2番目)ら関係者

 JR東海(東海旅客鉄道株式会社)が運営するイノベーション創出促進拠点のファンタステックラボ(FUN+TECH LABO)が3月25日、橋本駅南口そばにオープンした。当日は開所式が行われ関係者や報道陣が多く詰めかけた。

 ファンタステックラボは、JR東海が相模原市、神奈川県との連携協力協定に基づき、最先端技術の知見を持つ有識者や団体、市民と共に、人々がワクワクするようなイノベーションの創出を促進する拠点としてオープンした。

 開所式ではJR東海の執行役員で事業推進本部副本部長の谷津剛也氏が施設の概要を説明。ラボの開所について谷津氏は「リニア中央新幹線沿線地域の魅力向上、沿線都市の価値向上に貢献していきたい。それは将来のリニア駅周辺の事業開発の可能性を高めること、中央新幹線の価値向上にもつながる」と解説。昨年11月に神奈川県、相模原市と連携協力協定を締結したことに触れ、ロボットの実用化、宇宙開発、企業誘致の促進などについて相互に連携協力し、今後はラボで市からのイノベーション創出促進拠点運営委託事業を行うことを説明した。

 さらに、「今後は市民の皆さまをはじめ、多くの方にワクワクする豊かな暮らし『ウェルビーイング』を感じていただけるようなイベントを開催していく」と展望を示した。

 本村賢太郎相模原市長は「人が集うにぎわいのあるまちづくりを進める中で、今回新たな拠点ができたことをうれしく思う」とオープンを歓迎すると、「ファンタステックラボが多くの皆さんに注目いただき、多くの研究開発が生まれ育ち、発信していくことに期待している」と述べた。

他産業との接点に期待

 施設はイノベーション創出に取り組む団体が利用するオフィス棟とセミナーやイベントの開催、市民が打ち合わせに使用できるコミュニケーション棟からなる。オフィス棟には5団体―宇宙航空研究開発機構(JAXA)、大成建設株式会社、ティアフォー株式会社、日本電気株式会社(NEC)、ヤマハ発動機株式会社―の利用が決まっている。

 取材に応じたJAXAの新田浩史理事補佐は「研究機関だけで宇宙研究を進める時代は終わっており、相模原キャンパスにこもっているのでなく、他の産業の方と接点を広げていくという意味でここに大きな期待をしている」と話した。

 なお、市民が利用できるコミニケーション棟の打ち合わせコーナーはJR東海のECサイト(JR東海MARKET)から会員登録すると予約が可能になる。利用は平日の午前9時から午後6時まで。当面の間は無料で利用できる。

27年開業は断念

 また、3月29日にJR東海がリニア中央新幹線の東京・品川―名古屋間の2027年の開業目標を断念したことについて、本村市長は「誠に残念ではあるが、一日も早く開業できることを願っている。JR東海から、開業の遅れによる市内におけるリニア工事や用地取得等のスケジュール変更はないとの報告を受けているので、引き続き、安全に配慮しながら工事を進めてもらいたい」とコメントしている。

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