国の「自治体DX推進」の旗印のもと、全国の自治体で基幹業務システムを統一化する情報システムの標準化が進む中、デジタル庁はこのほど、約1割の自治体が期限内に間に合わない見通しと発表した。相模原市を含め20ある政令市も含まれ、大規模な自治体ほど移行が遅れていることが浮き彫りとなった。相模原市はどこまで進んでいるのか。
利便性向上に期待
自治体情報システムの標準化は「誰一人取り残さないデジタル社会」実現に向けて国が進めている取り組みのひとつ。対象である住民基本台帳や国民健康保険、介護福祉、児童/子育て支援などの関連業務全20項目について、基本的な事務処理に使う情報システムを国の基準に統一する。
コスト削減や効率化のほか、異なる自治体間でのデータ・サービス連携によって引っ越しの際などに自治体をまたいだ住民サービスの利用が可能になるなど、住民の利便性向上が期待されている。
期限は25年度末
デジタル庁は25年度末までに標準化を完了するよう全ての自治体に義務付けているが、移行期間が短いため業者や財源不足で対応が間に合わないという問題が以前から指摘されてきた。
今回デジタル庁が発表した調査結果では、全都道府県と全1741市区町村のうち相模原市を含む政令市など171の自治体が期限に間に合わないことが判明した。
相模原は一部に遅れ
相模原市DX推進課の担当者は「システム移行は人口の多い自治体では5年程度かかることもある。今回は短期間での移行が求められているが、自治体ごとに規模が異なり、既存システムを更新したばかりで移行が難しいというところもあると聞いている」と話す。
相模原市では、対象の20業務のうち「障害者福祉システム」の一部を除いて期限までに移行できる見込み。相模原市は18年度までにサーバーのオープン化を行った際、極力国の基準に近い設計にしていたため、今回の標準化において構築事業者を切り替えず、現在のシステムを基準に適合するようバージョンアップする方法をとっている。そのためほとんどの業務は問題ないが、精神疾患のある住民の保健福祉手帳などに関する「精神保健福祉」業務で使用しているシステムのみ間に合わない可能性があるという。同課の担当者は「現在ベンダーと調整を行っており、条件付きであれば間に合うかもしれない」と話している。
市はシステムの構築と情報の移行を進め、25年度末をめどに標準化システムの本稼働を開始する予定。
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