有識者らでつくる「人口戦略会議」は4月24日、全国の4割に当たる744自治体で人口減少が深刻化し、将来消滅する可能性があるとする分析レポートを発表した。神奈川県内では1市5町が「消滅の可能性がある」と判断され、相模原市は9分類のうち、中間的な位置付けの「自然減対策と社会減対策のどちらも必要」な自治体に位置付けられた。
同レポートは、国立社会保障・人口問題研究所(社人研)が昨年12月に発表した地域別将来推計人口を基に改めて推計したもの。
子どもを生む中心世代の20〜30代女性が半減する人口分析に着目し、人口移動傾向がこのまま続いた場合の「移動仮定」と、人口が自治体間を移動せずに出生と死亡だけで増減すると仮定した場合の「封鎖人口」も指標とした。女性人口の変化が自然減によるものか社会減によるものかの原因と減少率の深刻度によって▽自立持続可能性自治体(A)▽ブラックホール型自治体(B-【1】、B-【2】)▽消滅可能性自治体(C-【1】、C-【2】、C-【3】)▽その他の自治体(D-【1】、D-【2】、D-【3】)--の9つに分類した。
どちらも必要
相模原市は「自然減対策が必要、社会減対策が必要」とする「その他D-【3】」に分類された。
県内では葉山町と開成町の2町が100年後も若年女性が5割近く残存して持続可能性が高い「自立持続可能性自治体」に分類。一方、三浦市と中井町、山北町、箱根町、真鶴町、湯河原町の1市5町は「消滅可能性自治体」に分類された。
政令市の横浜市と川崎市とも「D-【1】自然減対策が必要」に分類。相模原市と同じ「D-【3】」には横須賀市や平塚市、小田原市、秦野市、厚木市、伊勢原市、南足柄市など7市4町が分類された。
同レポートでは、「若年人口を近隣自治体間で奪い合うかのような状況も見られる。こうしたゼロサムゲームのような取組は、結果として出生率向上に結びつくわけでなく、日本全体の人口減少の基調を変えていく効果は乏しい」と指摘している。
「3つの戦略で」
今回の分析レポートの結果を受けて、相模原市政策課の担当者は「これまでも基本的な取組を進めてきたが、今回の結果をみて改めて認識を深めた。相模原市では2年前に少子化担当部長を配し、現在は地方創生担当部長を配して少子化対策に取り組み、中山間地域対策と雇用促進対策の3つの戦略で取り組んでいる。一朝一夕で効果が出るものでもないが、頑張って取り組んでいきたい」と話す。
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