相模原市は、東日本大震災による東京電力福島第一原子力発電所の事故からの復興に向け、福島県への更なる支援に乗り出す。具体的には、市内で行われるイベントや広報紙などを通じた同県のPRに注力し、食や環境の安全・安心をアピールすることで、風評の払拭とイメージアップを図る構えだ。
市はこれまで、震災発生直後から、福島県に対して避難者の受け入れのほか、緊急消防援助隊や職員の派遣などを通して、救援活動やまちづくり支援などを行ってきた。
今回、福島県のPRに力を入れることになったのは、8月に同県から職員が来庁し、これまでの支援に対して改めて謝意を伝えるとともに、更なる支援を要請したのが契機。内堀雅雄福島県知事からの親書を小池裕昭副市長が受け取る形で、今後も福島県への支援に取り組むことを約束した。小池副市長と県職員の会談では、現在も県外に避難している人がおよそ10万人以上いることや、楢葉町が市町村単位で初めて避難解除になったことなど県内の現状も報告された。福島県では、農水産物に対して徹底的な検査を行い、消費者の安全・安心の確保に努めているものの、風評被害が深刻化していると見られる。
5月の九都県市首脳会議でも、福島県の現状として、観光客数が震災前の2010年に約5,717万人だったのに対し、震災後の2014年には約4,831万人と震災前の水準には回復していないとされる資料が発表された。市はこうした実態を踏まえつつ、同会議で話し合われた支援策案をもとに風評の払拭に向け取り組みを展開していく。
具体的には、市を挙げてのイベントである市民桜まつりや潤水都市さがみはらフェスタなどで福島県のPRや特産品の販売を行うブースを設けるほか、広報さがみはらなどを通じて復興状況や食と観光を中心とした情報を発信していく。加えて、福島県を修学旅行や部活動の合宿など教育旅行の行き先の選択肢に入れるきっかけづくりとして、市内の小中学校の校長が集う校長会で、同県職員が直接、旅行のコース例などを紹介する機会を設ける予定。
市広域行政課は「原発の問題もあり、難しい面もあるが、それらを調整しながら更なる復興支援ができれば」と話している。
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