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相模原市出身・冨永愛さんインタビュー(第3回) SDGs「身近なことから」

社会

公開:2021年1月28日

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冨永さん(中央)は、ジョイセフの活動として、日本の学生に講演(授業)なども行っている。ジョイセフは、女性のいのちと健康を守るために活動している日本生まれの国際協力NGO
冨永さん(中央)は、ジョイセフの活動として、日本の学生に講演(授業)なども行っている。ジョイセフは、女性のいのちと健康を守るために活動している日本生まれの国際協力NGO

 国際社会共通の目標「SDGs」(持続可能な開発目標)について、相模原市出身のトップモデルで、2019年から消費者庁エシカルライフスタイルSDGsアンバサダーとして活動する冨永愛さんのインタビューを第2回に続き紹介する。

めざすは完全な循環社会

 ―日本のSDGsの取り組みは遅れているのでしょうか。

 「ビニール袋が有料化されたのは最近で、それだけでも海外のほうが早かったし、やっぱり大きく動き出すのが遅いというか、決定に時間がかかるんでしょうね。これは私の意見ですが、少子化問題が前から問題視されているのにもかかわらず、不妊治療の助成拡充はやっと今年から。もう少し早くからやってほしかったと思う人はたくさんいると思います。国が判断するのに時間がかかるのであれば、地域や都道府県の単位で決断できることをやっていくのが早いのではないかと思ってしまいますよね。相模原市は、再生可能素材を使った簡易宅配ボックスを配布していたり、割と進んでいると思います。自然が多い地域なのでそういうことへの関心が高いのだと思いますが、ゴミ問題にしても、まず家庭での分別が大事だと思いますが、果たしてプラスチックがどれだけリサイクルされているかという疑問もあります。プラじゃないと成り立たない素材もあると思うので、プラはプラで私たちの生活に存在していていいと思うのですが、要は新しくプラを生産するのではなく、すべて循環させてリサイクルしていくシステムさえ確立されればいいと私は思うのです。完全なる循環社会がめざせたらすばらしいですよね」 

女性が選択できる社会

 ―続いて、「ジェンダー平等を実現しよう」(目標5)をはじめとする複数のSDGs項目にも関わることですが、女性の社会進出について日本の現状と、めざすべき姿についてお考えを聞かせてください。

 「日本は男女平等指数が先進国でもかなり低いので、これから少子化で人口が減っていくとなると、かなり重要な課題になってくると思います。じゃあ、平等にしていくのであれば何が問題かというと、女性のキャリア形成において、出産したら子どもを預ける場所が無い、出産したらキャリアを積んでいけないと、まずその問題に直面するわけです。そもそも、女性が活躍する場が少ないというのであれば、その席を確保しなければいけないと思います。女性自身も自分がそうなれる、女性でもリーダーになれるっていうことを、より自覚していける社会があるべきですよね。もちろんすべての女性がそうでなければならないというわけではなく、活躍したいと思っている女性に対して選択できる社会であってほしいと思います。選択ができないと、そもそもどうにもならないですね。子どもを社会全体できちんと育てていくことができるようにならないと難しい事なのかもしれません」

潜在能力高い相模原

 ―世界的に活躍されている冨永さんから見て、SDGsを踏まえて相模原のポテンシャルというのはどうお考えですか。

 「ポテンシャルは高いと思います。大好きですよ、相模原。リニアが開通することも大きいですが、将来人が集まる場所になると思います。出入りが多くなると、もちろんゴミも増えていく、そういったところで相模原がSDGsに注力しているということは知っています。川も山もあり、というのは大きな魅力ですし強みだと思うんですよね。これから先、都心に住むということが重要じゃなくなってくると思うので、そう考えると相模原は都心に近いし、自然が豊かで子育てをしやすい環境ですから、未来は明るいように思います。相模原市には大きな未来を見据えて計画していってもらいたいなと思っています」

SDGsまず知ること

 ―SDGs実現に向けて根本的に必要なことは何でしょうか。

 「SDGsとは何なのかをまず知ることだと思います。17項目あって、そこからもっと細かく分かれていますが、それが全部個人のことではなく、企業に向けた目標だったりしますが、全て実行しようとすると大変なことなので、自分が気になるところ、身近なところから着手していくのがいいんじゃないかなと思っています」

 ―そもそも興味がない人に対しては、どんなきっかけがあれば良いのでしょうか。

 「そうですね。興味がない人は必ずいるので、少しでも興味がある人の行動を深くしていくほうがより効果があるかなと思います。でも、例えば私の友人が目の前でペットボトルをポイ捨てしたとしたら注意しますよね。あとは、他愛のないお友達との会話の中で『これ知ってる?』と、話をするだけでも、そこからの広がりがあると思うので実践すると良いと思います。相模川ってこんな生物がいるんだよとか。以前、相模川の生態系を調べる番組に出演させていただきましたが、捨てられた外来種が在来種の存在を脅かしていることを知りました。知ることっていうのはすごく大事なことなんですよね。まず知ること、その次に自分がどういうことができるのか、今の生活がどのような影響を及ぼしているのか考えること。そして、行動すること。この3段階が変化には必要だと思います」

 ―2021年からすぐに始められるおすすめの取り組みはありますか。

 「新年なので、今までやってなかったことを一つやるというのは良いかもしれないですね。皆さんが家庭でできること。生ゴミコンポストとか。今年はゴミ問題をなんとかしたいですね。なかなかプラが減らなくて。商店街での買い物は量り売りするのでプラは少ないけれど、時間が無いとなかなかできない。スーパーでも過剰包装が減ればいいですね。そこが難題かなと。私は、マイボトルを持つようになってからペットボトルのゴミはかなり減りましたね。マイボトルを持っていると買う行為がなくなるので、今ではほとんどペットボトルのゴミを出さなくなりました。まずはマイボトルを持つということから始めても良いと思いますよ」

皆ですばらしいまちに

 ―市民に向けて、メッセージをお願いします。

 「私は相模原で育って、相模原の豊かな環境や人間関係が自分の根底にあるので、いつでも帰りたい場所でもあるし、ゆくゆくはまた住みたいと思っている場所なのですが、これから先の未来、相模原市がきっと注目される場所になると思うんです。なので今、相模原にいる方たち一人ひとりが、未来の相模原をつくっていくんだということを少しでも考えることができたら、きっと全国に無いすばらしいまちになると思っています。みんなですばらしいまちにしていきましょう」

 ―どうもありがとうございました。

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