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多摩 人物風土記

公開日:2023.03.02

多摩ニュータウンの再生を考える会議の市民委員を務める
小野澤 裕子さん
落合在住 45歳

建築家として「住み続ける」

 ○…ニュータウンの再生について、行政や学識委員らと考える会議に呼ばれたのは5年前。地元で活動する建築家としての視点を買われ、多摩市などが提案する活性化案に対して市民の代表として意見を述べてきた。「こういう取り組みって、市民の知らない間に進んでいくものと考えていた。みんな、私の声を聞いてくれます」。気づけば市民委員3期目。責任感は増している。

 ○…小学校入学以来、ほぼずっとニュータウンに住み続けてきた。高齢化が進む住居として悪評が広まったこともあるが、自身にとって大好きな場所。「居心地が良いからこそ、住み続けたくなる。だから高齢化が進むんです」ときっぱり。2年前には自宅を自身でリノベーションし、「昭和」の部屋からインテリアの雑誌に登場するような空間に。「若い世代が住みたくなる住まいにするのは可能なんです」

 ○…幼い頃はニュータウンのなかを友だちと走りまわった。今も身体を動かすことが好きで、30代になり出会ったサッカーはライフワークの1つに。当初は地元のフットサルチームでボールを追っていたものの、よりレベルの高い環境を求め、現在は町田市のクラブで攻撃の中心選手として活躍する。そのなかで喜びが強いのが得点につながるパスを出せた時。自ら目立つよりも「人助け」を好む。

 ○…元々、地元のために活動したいという思いは強かった。会議に参加するようになってから、地域での活動の幅が広がり、ニュータウンの高齢化問題に対して行政や不動産会社ではカバーできない抜け穴を埋めるのが自身の役割と認識している。「建築家として、私にしかできないことをしていきたい」。「アシスト」はどこに。ニュータウンを眺める毎日だ。

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