三浦藤沢信金 トップインタビュー 定住促進に独自プラン
三浦半島の経済は今年も
我慢の季節が続きそうだが、景気回復に向けて地域金融機関の三浦藤沢信用金庫ではどんな対策を講じていくのか。平松廣司理事長に聞いた。
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─地域の景況感をどのように感じていますか?
取引の主となる中小企業からは総じて「良くなった」との声は聞こえてきません。
円高で輸出産業は大打撃を受けており、厳しい経営を強いられています。第一次産業的分野においても昨年の猛暑による影響で出回り量が減り、これがいまだに尾を引いているような印象があります。小売店もデフレと消費者の節約志向に苦しんでおり、様々な経済対策の恩恵を受けるに至りませんでした。
半島経済の特徴として景気が極端に乱高下しないことがありますが、今は少し悪い位置で停滞しているような感があります。そうした中でも、明るい兆しが見えている部分もあります。「日産追浜工場」で生産されている電気自動車がいよいよ市販化されました。部品調達などで直接的な恩恵に浴する地元企業はまだ少ないようですが、雇用増加や人の流入による消費拡大などに期待を寄せています。また不動産では新築戸建の販売が堅調で資金需要が伸びています。
─地域金融機関として打ち出せる景気対策はありますか?
景気回復は一朝一夕には実現できません。どの部分に着手するかが大切になります。私は都市活力の源泉は「人」にあると思っています。人口増加を目指すことは有効な経済対策だと考えています。
横須賀、三浦の両市では定住促進策を打ち出していますが、これに同調していく方針です。市外の方がマイホームを購入する際の住宅ローンに対して金利の優遇プランなどを検討しています。地域を基盤にしている信金ならではの小回りの利いた商品を用意して戦略的に挑む考えです。これ以外に力を注いでいくのが取引先企業の支援です。アドバイス業務を充実させることで、「お願い外交」から「問題解決」や「提案営業」へのシフトを目指しています。
現在、企業診断士の取得者が3人、FP1級所持者も10人ほど在籍しています。職員の資質向上に組織として取り組むことで全体の底上げを図っていきます。
─「人にやさしい」をスローガンに掲げています。
サービス向上を目指して、目の不自由な方も利用できるATM機を3月までに全店舗に設置します。視覚障がいをお持ちの方の窓口対応に関しては、職員の代筆等で対応していきます。この分野の取り組みに関しては、「先進の信金」であると自負しています。
─お金をテーマにした出前授業が好評だそうです。
小学生を対象にしたもので、初歩的な金融の仕組みやお金の流れを、職員がわかりやすく解説しています。家庭や学校であまり行われてこなかったようで、多くの引き合いがあります。今年は養護学校にも訪問して実施します。お金を大切に扱う子どもを育成する─。これは信金が取り組む社会的責任であり、引き続き積極的に取り組んでいく構えです。
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