観音崎公園内にある「観音崎青少年の村」(写真)に関して、管轄する神奈川県青少年課はこのほど、施設を今年3月いっぱいで廃止することを発表した。横 須賀市へ有償譲渡を打診したが、市が「財政状況が厳しい」として県に代わって管理運営することに難色を示していたため。施設の存続を求める市民の署名を受 け、市は県に対して継続運営や廃止の見送りなどを求めていたが、県の方針は覆らなかった。
県青少年課によると、観音崎青少年の村での宿泊は3月30日夜、日帰り利用は翌31日まで。それ以降は施設の利用ができなくなる。同課の担当者は「すぐに建物を取り壊すということはありませんが、安全管理上施設内への立ち入りもできなくなります」と話す。
今回の廃止決定は「神奈川県県立青少年施設のあり方検討会」が一昨年の12月にまとめた報告書を受けてのもの。その中で同青少年の村については、年間の施設利用者約1万4千人のうち4割以上が三浦半島在住で、県が引き続き運営する意義は薄いと指摘。役割分担から県は横須賀市への移譲を働きかけ、それができなければ廃止もやむを得ないなどの答申を示した。県からの打診に対し市では、今年度末での廃止の延期や、やむを得ず青少年施設として廃止する場合には「キャンプや野外活動をできる場として再整備すること」などを県に求めていた。
こうした動きの一方で、今年度は約70 haの広さがある県立観音崎公園全体の「再生計画づくり」も進められてきた。公園内にはレストハウスなどの老朽化する施設もある中、利用者のニーズを探り、再整備を検討するのが狙い。県横須賀土木事務所主催でワークショップも数回開かれ、青少年の村に関しては「動向を見据えつつ検討する」としながらも、自然とのふれあいの中で明治時代のレンガ建築群を活用するといった案もあがっていた。同事務所では「(3月末までは青少年課の管轄のため)今は何も言えない」と話すにとどめたが、公園全体の整備の中で市が求めた「野外活動の場」として今後残る可能性もある。
昨年の秋以降、同施設の存続を求めて署名活動に取り組んできたカフェオーナーの鈴木宏治さんは「まだ諦めてはいません。予算をかけずに活用できる方法はあるので、今後もイベントを通じた呼びかけを行っていきます」とコメントした。
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