食品資源の循環に独自性 横須賀軽金「ヤサイクル」で県産業ナビ大賞 優秀賞
県内の中小企業が開発した新製品や新技術、新サービスを表彰するかながわ「産業Navi大賞2011」の環境(エコ)部門で(株)横須賀軽金(佐原2─1─3)が準グランプリとなる優秀賞に選ばれた。独自の食品資源のリサイクルシステムが高い評価を受けた。主催は神奈川県経営者福祉振興財団。今年度は61社61事業の応募があった。
農家と飲食店の橋渡し
同社はアルミ・ステンレスなどの建築用材の販売を主力としている地元企業。生ゴミ処理機などの販売は4年前から手掛けている。
ホテルや飲食店から出る生ごみや残さを同社の処理機で有機肥料化。これを契約農家に使用してもらい、収穫した野菜を元のレストランや飲食店に配達するビジネスモデルだ。一連の循環を「ヤサイクル」と名づけて、同社がコーディネート役を務めている。
環境への配慮として機械を導入し、生ごみの再資源化を自店で行う飲食店はここ数年で増えてきたが、処理後にできた堆肥の引き取り先の確保などに苦労があるという。同社ではこれの解決策として、土づくりにこだわる農家と契約を結び、顔の見える相手同士で循環の輪(リサイクルループ)を作り上げる仕組みを構築した。飲食店はゴミの再資源化とともに安心の肥料で栽培された有機野菜を仕入れることができる。農家への堆肥の運搬、飲食店への野菜の配送などの中間業務を横須賀軽金が担うことで、双方のニーズ調整などを行っている。
大手では「小田急 山のホテル」「横浜ベイシェラトンホテル&タワーズ」が、このリサイクルシステムを採用している。地元ではパン製造販売のカフェ・ド・クルーが農家と手を組み、店舗から出る残さを活用した畑でパン用小麦を栽培。自店の商品に使用している例などがある。
同社の小野仁志社長によれば、「現在こうしたリサイクルループが25ケースできている」という。今後は県外の協力店を通じて、このビジネスモデルを全国で展開していく考えだ。「それに向けて、三浦半島での実例を増やしていきたい」と小野社長は意気込みを話している。
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