わが家は、標高何メートルにあるのか―。東日本大震災で大きな被害を出したのは、これまでの想定を超える津波だった。横須賀市では「生活圏内の標高を知り、避難行動に活用してほしい」と、今月22日から市ホームページで標高マップの公開を始めた。
横須賀市役所本庁舎は約2・6メートル、追浜行政センター約4メートル、ソレイユの丘は約29メートル―。これは『標高マップ』で検索した同地の高さだ。市ホームページ「よこすかわが街ガイド」の検索画面に住所を入力すると、付近の地図が現れ、標高5メートル以下/5〜10メートル/10〜25メートル/25〜50メートル/50メートル以上の5段階の色分けで表示される。さらに、任意の地点をクリックすると、おおよその標高も分かるようになっている。
横須賀市では平成14年から「よこすかわが街ガイド」の運用を開始。これはGIS(地理情報システム)を用いて、地図データと様々な統計データを統合的に表示するもの。公共施設や医療施設の検索をはじめ、都市計画や地価なども地図上で確認することができる。また、防災に関するカテゴリーでは、土砂災害警戒区域や急傾斜地保全区域・地すべり防止区域や避難場所、さらに震度マップ(三浦・関東・東海)などを色分けで表示。この項目に追加されたのが「標高マップ」だ。GISを活用する自治体は増えているが、標高に限定した検索システムは珍しいという。
市民の不安に対応
3月11日の震災後、市には「自宅の標高を知りたい」という問い合わせが増えていた。これまで、横須賀市では「津波浸水予測図」「津波浸水ハザードマップ」などを作成しているが、想定される地域や地震(南関東)が限られており、市全域の標高を示したものはなかった。今回、市では津波対策の一環として整備。市民安全部危機管理課では「自宅や職場・学校など、生活圏の細かい標高を知ることはもちろん、避難場所・避難ルートの参考にしてほしい」と話す。
また、横須賀市では9月11日(日)に全市一斉の津波避難訓練を実施する。在住地区から、5〜10分で避難できる場所への移動訓練、検証などを行い、今後は、これらの情報をもとに「津波避難台帳」の整備を進めていく。*標高マップは「よこすかわが街ガイド(http://www2.wagamachi-guide.com/yokosuka/)」の防災カテゴリーから閲覧。
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