FMブルー湘南で担当している番組が放送500回を迎える民謡歌手 阿部 きみえさん 横須賀市出身
人と歌との絆 財産に
○…リスナーの男性が寄せた詩に、番組で曲を募集。そうして完成したのが、毎年夏になると、市内の盆踊りで流れる「猿島音頭」。その発端となったラジオ番組が、自らの名前を冠した「阿部きみえのカウントダウンカラオケ」だ。FMブルー湘南の開局2日後に番組が開始して約18年。その間、育児のため2年ほど休み「〜帰ってきた〜」とタイトルに加え、来週のオンエアで500回を迎える。
○…両親の影響で、7歳から民謡を始めた。折りしも民謡が一大ブームだった頃。小学6年生から4年間「ビクター少年民謡会」の一員として活動。海外公演など多忙な少女時代を過ごす。高校生になり、「大人の民謡の歌い方を練習してみないか」と勧められ、21歳でソロデビューした。現在は県内外で年間20本近くのコンサートを抱えるが、市内老人福祉センターでのカラオケ講座講師やイベント出演など活動拠点はあくまでも横須賀。先生であり、プロの歌い手。だが、ひとたびトークを始めると、その勢いと明るさで周囲を引き込む魅力がある。
○…FM開局の際、番組の公募があると聞き、履歴書を持ち込んだ。「プロデューサーに会ってもいないのに、自分の名前が番組名になって、決まっていた」。今だから笑える話だが、開始当初からしばらくは月〜金の帯番組。「最初は落ち込んでばかりだった」と振り返るが、民謡や三味線など多彩なゲストが登場するほか、カラオケ披露や指導など参加型で賑やかな構成が、じわじわとファンをつかんでいった。また、「猿島音頭」のエピソードのように、リスナーとの交流から、かけがえのない絆が生まれた。今の夫との出会いも、番組のカラオケゲスト出演が縁。「歌が人と物をつなげてくれた。長く続けていると良いこともあるよね」
○…震災以降、福島や宮城の民謡を歌う機会が増えた。民謡はまさにその土地の歌。「FMも民謡も続けていくのが私の役目です」
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