田浦梅の里 開花遅く客足に影響 樹勢回復に向けた取組も
梅どころとして知られる田浦梅の里では3月17日まで「田浦梅まつり」が行われている。しかし、今年の開花は例年に比べ1カ月近く遅れ、行政・地元・来場者は困惑気味。管理する一般財団法人「シティサポートよこすか」は、数年前から良好な開花状態に戻すため対策をとっているが、改善に時間がかかっている。
梅まつりを主催する田浦観光協会では開花の遅れを想定し、梅まつりの会期を昨年より1週間長く設定した。だが、降雪もあった今冬の寒波と樹勢の衰えなど複数の原因によりシーズンとなっても多くの蕾は固く客足は疎ら。近年では見頃前に会期終了を迎えることも多く、来場者減に影響している。
市統計書によれば会期中の来場者は平成18年に5万人を記録して以降、年々減少。昨年は震災の自粛ムードが続いていたこともあるが、開花が半月以上遅れたことで1万人を割り込んだ。平日は麓にある商店の賑わいもほとんどなく、今後の天候次第では例年の売上の1割ほどだった昨年の二の舞にもなりかねず不安を感じている。
シティサポートよこすかでは、遅れの原因を調査し、07年から専門家に協力を仰ぎながら土壌改良、傾斜地の土表流出抑制、間伐などを行ってきた。さらに木1本ごとに番号札をつけた個体管理を実施。樹木台帳の作成を進めている。木々の世代交代は喫緊課題で、植樹にも力を入れている。
同法人によると最盛期には約2700本の梅の木を有していた。30年来地元田浦に住む男性は「高台から見下ろすと、真っ白い花が咲き乱れ地面が見えないほどだった」と語る圧巻の景観だったが、暴風で倒れたり老朽化による立ち枯れで現在は2500本を下回っていると見られる。このため同法人では年50本ほど園内各所で植樹し、現在では新たに南高梅の苗木も育てている。
3月9日(土)には地場産野菜を使った豚汁(2百食限定)を1杯百円で販売。売上を植樹費用に充てることで、梅の里の景観回復に向けても取り組んでいく構えだ。
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