横須賀市議会は第1定例会最終日の先月25日、国の地方創生加速化交付金の対象2事業「横須賀市健康マイレージ制度」と「日本版DMO設立準備事業」が不採択となったことを受けて、5人の議員が緊急質問した。市が一般財源に切り替えてこれらの事業を実施していくことを議会に報告したためで、原因分析や事業内容の見直しを求める批判の声が相次いだ。吉田雄人市長は「健康マイレージ制度」を凍結、「DMO事業」は市の予算で実施していく考えを述べた。
広域連携、先駆性に欠ける
地方創生加速化交付金は政府が掲げる「一億総活躍社会」の実現に向けた緊急対策。人の流れや仕事を生み出す取り組みを資金面で支援する。県内の自治体では99件の申請があり、内74件が採択を受けている。小田原市は観光推進に関する事業申請を筆頭に4案件で総額7810万を獲得。県内の自治体で採択リストに入っていないのは横須賀市と大磯町だけだった。
市が申請したのは、生活習慣病予防策として、歩数計機能などを備えた独自のスマートフォン用アプリを開発する「市健康マイレージ制度」と、市観光協会の機能強化を目的に中心的組織を編成する「日本版DMO設立準備事業」の2つ。いずれも不採択となった。
理由について、市は「広域連携や先駆性に欠けた」と説明したが、議員からは「必死さが感じられない」などの声が上がり、市の情報収集力、計画立案能力の低下を指摘する意見が続出した。
「市健康マイレージ制度事業」は、委員会審議でも「既出のアプリが存在する中で、市が1500万円の開発費を投じる意義があるのか」といった問題点が指摘されていた。「財源が全額国庫であるとの説明だったことから『消極的賛成』」だったとする議員の発言もあり、議会からの強い批判を受けて吉田市長が事業の凍結を判断した。
「DMO事業」ついては、県と三浦市、逗子市、葉山町、鎌倉市で「三浦半島DMO連携事業」の採択を受けており、県の申請に加え、それぞれの自治体も交付金を獲得している。市は「連携して申請していることを知らなかった」と説明しているが、三浦半島観光連絡協議会の会長を吉田市長が務めていることなどから不可解な印象を残した。今後、市が単独で実施していく。
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