今年2月以降、中学校給食に関する議論が加速している。署名や請願などで声を上げてきた市民団体は、この展開をどう見ているのか。今後の期待を含め、「横須賀でも中学校給食を実現する会」共同代表の対間美保さんに聞いた。
一昨年4月、市民団体「『幸せ度No.1のよこすか』をみんなで作る会」が実施したアンケート。約1200人に聞き取りを行い、約8割が小学校と同様の「完全給食」を望む結果となった。この気運を高めようと、ここから「横須賀でも中学校給食を実現する会」が生まれ、署名活動を展開。約3万筆を集め、議会(2014年第4回定例会)へ請願を行ったが、不採択となった。しかし、反対討論のなかで「給食には様々な利点があるという認識」「実施形態に関して積極的な検討を行うことを要望」「財政で判断することなく、具体的な計画に着手すべき」―といった、賛成に近い答弁が重なった。その内容に「結果は残念だったが、私たちの思いは理解してもらえていると感じた。動き出したという実感を得た」と対間さんは振り返る。
それから1年と少し。この間、同会では給食に関するシンポジウムやフェスタ=写真=など、学びの機会を設けて活動を続けてきた。今回、導入に向けて議論が急展開したことに「市民の思いがやっと届いた。訴えかけてきたことは無駄ではなかった」と、道が開けたことを評価する。
全員喫食を基本に
対間さん自身、小学生・幼稚園児の母親。当初はアンケートに答える側だったが、会の運営側に立った理由は、「(中学で給食がないから)市外へ転居する」といった声も耳にしたからだ。中学校給食の有無が転出理由の一つになっていたことに驚いたという。
現在、10人前後で活動する同会。30〜40代の子育て世代が中心だ。持参弁当の負担感は、栄養バランスや中身の心配に留まらない。弁当を持参できない生徒など、家庭の格差も見え隠れする。昼食も15分程度と短く、時間に追われる現状に「全員喫食の温かい給食で、心休まる時間を提供してほしい」という願いもある。今後、同会では「完全給食の確実な実施」に向けて、議論の経過を見守りつつ、(小学校と同様の)自校調理式での導入を訴えかけていくという。
* * *
「横須賀の子どもたちに、どのように育ってほしいのか、考えてほしい―」と話した対間さん。完全給食にもいくつかの手法がある。今後、その議論が進む中で
念頭に置くべきは、生徒のために何が最善か、ということではないだろうか。
――連載終わり
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