文部科学省と厚生労働省は2014年、「放課後子ども総合プラン」を策定した。「共働き家庭等の児童に限らず、全ての児童が放課後等における多様な体験・活動を行うこと」―として、学童の拡充や余裕教室を活用した「放課後子ども教室」の開設も盛り込まれている。横須賀市は今、どのように取り組んでいるのか。
同プランは、いわゆる「小1の壁」の打破と次世代人材育成が目的。学童保育に加えて「放課後子ども教室」を、余裕教室などを活用して設置するもので、各自治体の実情に応じて導入していくことを目標にしている。
それでは「放課後子ども教室」とは何か。利用は無料で、学習支援やスポーツ・文化芸術など多様なプログラムを提供。学校施設(余裕教室や校庭等)を使い、全児童を対象にした「放課後の居場所」と「遊びや学びを通した体験」を併せ持つ。国が描くのは校内で学童と子ども教室が連携(一体化)した形だ。
学習支援の”居場所”新設
現在、横須賀市が主体となって小学校で展開している放課後事業は「わいわいスクール」。01年度から順次6校で導入していたもので、自由な遊びが中心。平日の午後4時まで、在籍児童は誰でも利用できる。現在設置しているのは鷹取・鶴久保・津久井小の3校だけ。保育料が高くて学童保育に入れないという人の受け皿にもなっていたというが、実施校も少なく、開設時間については「使い勝手が悪い」との声も出ていた。
そして今年度、市が新たに始めるのは「放課後子ども教室」。国のプランに則ったもので、メインとなるのは宿題や読書などの学習支援。当初は市立荻野小学校で6月に導入予定だったが、運営事業者の応募がなく、その時期は「今年度中」とずれ込んでいる。市はモデル実施を検証しながら拡充する考えで、来年度にかけて具体的な事業計画の策定を進めるという。ただし、学童と子ども教室の学校での「一体化」に関しては、議論が必要という姿勢。一方、わいわいスクールに関しては学童保育への転換を促しており、今年度は3校(衣笠・高坂・馬堀)が移行している。
「ニーズの把握を」
「全ての児童に安心安全な放課後の居場所を確保することは急務」と市担当者。一部市議からは子ども教室実施に関連し「今ある課題や需要に対して、どこをフォローするものなのか、何のためなのか、明確にするべき」「子どもや保護者の実情を踏まえた事業を」との意見も上がっている。
市内では他に、青少年の家(みんなの家)にランドセル置場を設置。学校から離れていることもあり、利用が進んでいるわけではない。加えて15カ所あるうち半数の施設が廃止を含めた再構築の遡上にある。
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次回は視点を変えて、支援が必要な児童生徒の放課後について関係者に聞く。
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