横須賀市教育委員会は先月30日、中学校給食の実施方式を「センター方式」とする案を定例会で報告した。全23校分・約1万1500食を調理し配送する『給食センター』を、市内に1カ所整備―という内容で、新市長が出席する18日の総合教育会議を経て決定する方向。一方で、自校・直営での導入を求める動きもあり、署名活動を展開する市民団体は「引き続き、市民の声として訴えていきたい」としている。
「中学生に望ましい昼食のあり方を実現し、全員喫食による完全給食を」―昨年7月に基本方針が決まってから約1年。小学校と同様の「自校方式」、近隣小学校等で中学校分を調理して配送する「親子方式」、全校分を一括調理する「センター方式」の3つの実施形態に関して、小中学校での現地調査を基に初期整備や維持管理費用などを算出。市役所関連部署や市議会特別委員会で比較検討を行い、市教委の担当事務局は、センター方式案を提示した。
その理由は6つ。▽衛生管理面の徹底や食物アレルギー対応の専用調理室設置で、安心安全な給食が提供できる▽児童生徒数が減少傾向で学校統廃合の可能性があり(自校・親子方式は)過剰投資になるリスクがある▽増改築による既存施設や教育活動への影響が少ない▽全校一斉の開始が可能▽財政面での負担が比較的少ない▽統一的かつ集中的な管理や運用ができる―と「総合的に判断した」という。
課題は、調理後に全校へ2時間以内に配送可能なセンター用地の確保。建設に適した市の未利用地はなく、土地取得や用途変更の手続き等を早急に進める必要がある。栄養教諭の配置、食育や地産地消の展開なども検討事項として上がる。センター方式で公設民営の場合、総費用は30年間で約288億円(土地取得費は含めず)、開始は2021年度というスケジュール。
今後は、市教委の提示した同案に対し、18日に実施する総合教育会議で市長と教育委員が協議。21日の市教委定例会で決定となる方向だが、「新市長は早期実現を掲げており、その場で決まるかは不透明」という見方もある。
自校・直営求める
市民グループ「横須賀でも中学校給食を実現する会」では、今年初めから自校・直営方式の導入を求めて署名活動を展開、約1万2千筆を集めた。同会担当者は「引き続き、自校直営を訴えたい。今後は、新市長や担当部局との懇談など、市民の声を届ける場を設けてもらえるよう働きかけていく」と話している。
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