横須賀市は、観光振興策の一環として、市内のトンネルを紹介する「トンネルカード」を発行した。トンネルを題材としたカードの発行は、自治体では日本初。市内の飲食店10店で配布され、すべて集めると「レアカード」がもらえる。特別感を演出することで観光客の再訪を促す考えだ。
市内にトンネルが多いのは山が多い地形に加え、軍港に物資を運ぶルートが必要だったことが背景にある。
カードは全10種類。市内に150カ所以上あるというトンネルの中から、歴史的価値の高いものなどを厳選し、様々な地区に足を運んでもらえるよう選定。明治、大正、昭和の各時代に造られたトンネルが並ぶ「船越隧道」などが取り上げられている。表面にはトンネルの写真と名前、緯度経度、裏面には開通年や場所などのデータが記されている。文を監修したのは、廃道&隧道愛好家として知られる平沼義之氏。トンネルが作られた目的や魅力などを「ココガスゴイ!」と題して解説している。市の担当者は「横須賀を巡る際の新たな観光資源として活用していきたい」と話し「トンネルの暗いイメージも改善できれば」と続けた。
同企画は、2016年に配布を開始した「マンホールカード」にヒントを得た。国や下水道関連団体で作る「下水道広報プラットホーム」が全国の自治体と発行しているもの。カードにはマンホールの図柄が書かれており、収集家の間で人気を集めている。観光客を呼び込むきっかけづくりや、下水道のイメージ改善を目的としている。また、2007年には国土交通省がダムをよく知ってもらおうと「ダムカード」を発行。こちらも特設サイトや図鑑が作られるほどの人気を集めている。
グルメ食べて集めて
カードは、各トンネルの近くにある市内のパン店や菓子店などで対象商品を購入すると贈られる。それぞれに記載された文字を組み合わせてできる合言葉を観光案内所「スカナビi」に伝えれば、10種類とは別に”レアカード”がもらえる。同企画に参加している北原製パン(追浜本町)の店主は「若い男性客がさっそく買いに来てくれた」と喜びを話した。
問い合わせは市観光企画課【電話】046・822・8124
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