横須賀版 掲載号:2018年3月23日号 エリアトップへ

高い市民満足度に光 同規模自治体の藤沢と比較

社会

掲載号:2018年3月23日号

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 神奈川県内の3大政令都市に続いて長く人口数4位だった横須賀市。2012年に藤沢市に抜かれたが、40万人規模の自治体として比べられることの多い両市を比較し、何が明暗を分けたのかを検証する。

 横須賀市では2011年からの「総合基本計画」の中で、人口増減について藤沢市と比較する資料を用いている。藤沢市の人口は1965年以来右肩上がりで、今年3月1日現在で42万人9047人。世代別の構成比は横須賀市全体に占める14歳以下は11・28%、15歳から64歳までが58・16%、65歳以上は30・55%。対して藤沢市は13・63%、62・37%、24・00%と続き、若年層と生産人口の割合が大きい。

 藤沢への転入者はファミリー層も多く、小児医療費助成の対象引き上げや自転車利用者が多い市民特性を考慮した幼児二人同乗用自転車の購入費補助などが子育て世代を呼び込む一因になったと考えられる。

 また、各主要駅から都心部への電車アクセスは両市ともおよそ1時間と同等だが、横須賀は南北に走る京急線とJR横須賀線のみで、東地区に駅が集中する。それに対し藤沢はJR線で乗り換えずに東京や新宿方面へ行くことができる。私鉄でも小田急線、横浜市営地下鉄線などの乗り入れで、東西南北に路線があることも強み。都心へのアクセスだけでなく、沿線に大学など教育機関が多いのも、こうした利便性が影響していると言える。

跡地利用に明暗

 そうした「差」が広がる中、両市に共通する課題として、大型工場の撤退がある。藤沢ではパナソニックや関東特殊製鋼が撤退後、跡地が大型商業施設や最先端技術を用いた新興住宅地として生まれ変わった。そうした再開発の拠点となる辻堂駅周辺や藤沢駅周辺に中・高層マンションの建設も続いており、跡地活用の転換が雇用や税収、流入・交流人口の増加に寄与していると言える。一方で横須賀でも宅地への転換を行っているが、目立った成果が表れていない状態だ。

課題先進都市

 人口増が続く藤沢でも懸念がないわけではない。30年の約43万人をピークに減少に転じる試算が出ている。将来の見通しを踏まえ、今後の基本方針として50年までは人口40万人を維持し、高齢化率40%を迎えた後も市民生活の質低下を防ぐ目標を掲げる。

 すでに人口減少に転じている横須賀で、他都市に先駆けて進めている独自の施策もある。在宅医療や看取りを広く可能にするために取り組んできた医療・介護の多職種連携により、16年度に在宅死亡率が全国でトップとなっている。4月からは小児医療費助成の対象上限を小学6年生から中学3年生に引き上げる予定で、一部の市を除いて県内他自治体と同水準となる。また、中学校完全給食実施などの大型投資は子育て支援策としてインパクトも大きい。そうした施策から市民満足度を維持し、転出者数を抑制することで人口の社会減数を最小限に留めたい考えだ。

 特殊な地形や地理的要因、大型工場の撤退による雇用減少などから、問題がいち早く表面化した横須賀。だからこそ他都市に先行した対策が求められ、それが問題解決への試金石にもなり得るのではないだろうか。

 次回は、商工会議所会頭のインタビューを交えて、人口施策を軸に横須賀の展望をまとめる。

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