横須賀市教育委員会は「横須賀版キッズウィーク」を10月20日(土)から11月4日(日)に実施することを今月24日の定例会で報告した。国の進める「働き方・休み方改革」の趣旨に沿ったもので、市は独自に実施時期を設定。期間中、市内の各地域で行われるイベント等を集約し、企業に有給取得を働きかけながら親子での参加を促していく。
「キッズウィーク」は、学校の休業日を分散化するなどして、地域で大人と子どもが一緒に休日を過ごす機会を創出する取り組み。国の「働き方・休み方改革」の一環で、有給休暇の取得を促すなど省庁横断で環境整備を働きかけている。
横須賀市では、これに応える形で今年5月、横須賀商工会議所や商店街、小中学校校長会、市担当部署などによる協議会を立ち上げ。市内の小学校18校と中学校8校が10月29日(月)を運動会や学校行事の振替休日にしていることから、この日を中心にした前後約1週間を「横須賀版キッズウィーク」として設定した。
商議所は「家族割」
具体的には、期間中に市内の施設や商店街で行われる親子・子ども向けイベントを集約してPR。商議所では「家族割」を実施する。市内在住の”家族連れ”を対象に、飲食店や観光施設などで割引や特別サービスを提供するもので、現在参加店舗を募集中。「子どもと一緒に市内で過ごす・楽しむきっかけにしてほしい」と担当者は話す。
ただ、期間中に地域のイベントや親子で参加できる企画を用意しても「保護者が休暇を取れるか」という点を懸念する声もある。商議所では会員企業に向け、広報などを通して有給取得を働きかけていく方向だという。
実施自治体は小幅
国が「キッズウィーク」の名称で事業を進めるのは今年度からだが、横須賀市のように行政や団体が協議会を立ち上げて検討・実施する例はわずか。文部科学省の調べによると、全国の市町村教育委員会の6割が、「体験的学習活動等休業日(地域での学習活動のための休み)を設ける予定はない」と答えている。
今年度の動きでは佐賀県の武雄市で夏休みを短縮して10月に祝日を含めた4連休を設定。羽島市(岐阜県)は2学期制を導入し、前期終了後の10月に5日間の秋季休業日を設けた。地域のイベントや祭りに併せて休業日を設定し、キッズウィークの趣旨に連動している自治体もあるが、こうした動きは全国的に見ても少ない。学校や地域の団体など各々の事情があり、特定の休業日を調整することが難しいという現状もある。
県内では、川崎市が10月9日(火)を「家庭と地域の日」として市立校163校を休みにした。昨年度から検討されていたもので、土日・祝日(体育の日)と合わせた4連休を試行的に「キッズウィーク」として設定。部活動も原則休みとする方向で、地域での学習・体験事業を促すほか、レジャー施設等に利用特典などを働きかけているという。
横須賀市では市内全校での休業日は設けていないが、市の担当者は「キッズウィーク期間のイベント参加や体験を通して、親子で向かい合う機会を増やしてほしい」と話している。
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