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保育士不足を考える-後編 人材確保へ 自治体間で競争 給与上乗せ、ツアー企画も

社会

掲載号:2018年10月12日号

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 待機児童解消に向け全国的に保育士不足が進む中で、人材確保に向けた自治体間での競争が熱を帯びている。給与上乗せや家賃補助など、独自策を打ち出す自治体もあり「人材の奪い合い」を懸念する声が上がる。他市の取り組みや、市内保育所の工夫をまとめた。

 「市をまたぐだけで、給料が上乗せされるとなれば、転居してしまうのも無理はない」。横須賀市内でも待遇面を理由に横浜市の保育所へ転職を決めたケースもあった。

 その横浜市では2015年から、国と市、施設が一人に最大8万2千円を補助する「保育士宿舎借り上げ支援事業」を採用。また、市独自に経験年数7年以上のすべての保育士へ月額4万円の上乗せも行っている。

 同規模の自治体として比べられることの多い藤沢市では、人口増もあり待機児童が174人。横浜市と同じ家賃補助制度を導入しているほか、施設に対して年間30万円の「保育士確保補助金」もある。ユニークなのが千葉県松戸市。都内や他市への流出を防ぐため、昨年10月から「松戸手当」を支給。1〜11年目に毎月4万5千円、以降勤続年数に応じて最大7万2千円まで付与する。加えて新卒者には家賃を3万円補助するなど、その手厚さが話題となっている。

 市内でも補助金導入を求める声はあるが、市の担当者は「隣接する三浦市や葉山町への影響も考えなければいけない」と話す。市内の市立保育所からは「国が一括してやるべき」と意見もある。

体験事業で呼び込み

 処遇改善以外の方法で工夫する例もある。川崎市では人口150万人を超え、4年間で8700人の保育受け入れ枠拡大を計画しており、働き手の確保が急務。そこで、市外や首都圏外から呼び込もうと、地方の養成校の学生向けに市内保育所の体験ツアーを開催している。また、滋賀県大津市では、隣接する京都市で就職フォーラムを行う”異例の策”もみられる。

「保育の質」も課題に

 新卒者獲得に苦しむ市内の保育所では潜在保育士の掘り起こしに注力。取材した施設では、保育資格を持つ保護者に声をかけ自園での勤務を働きかけている。「施設を良く知った上で働いてもらえるのは質の部分でも安心」と話す。

 自治体間で競争が過熱し、職員の入れ替わりが多くなることで、子どもへの影響を懸念される。今後は「保育の質」も課題になりそうだ。

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