生態に謎が多い「ハナビラウオ」の幼魚が捕獲され、鴨居の観音崎自然博物館で今月18日から展示されている。生きた状態で捕獲されるのは全国的にも稀。同館は生存し続ける限り公開する予定という。
同館エントランスホール内の小型水槽で展示されている幼魚は22日現在の全長は5cmほど。全身が半透明で、卵円形。骨や内臓が肉眼で確認できる。同館学芸部長の山田和彦さんは「本来は深海魚であり、幼魚は稀に近場で見つかることもあるが、こうして生きた状態で鑑賞できるのは珍しい」と話す。30年近く魚の研究を続けている山田さんでさえ標本で数回見た程度。生きた状態は初めて目にしたというほどだ。
17日に三浦市の小網代漁港で釣り船店の知り合いから山田さんのもとへ「名前の分からない珍しい魚を捕まえた」と連絡が入った後ハナビラウオの幼魚と判明。翌18日に同館へ持ち込まれた。生態に謎が多く、飼育例も全国でまだ少ないため、餌付けにも手を焼いている。手探りで飼育を続けており、現在はクラゲの幼生「ポリプ」を与え、ようやく餌付いてきた。
開館時間は午前9時から午後5時(最終入場は4時30分)。16歳以上400円。月曜休館(祝日の場合は翌火曜)。
問い合わせは同館【電話】046・841・1533
【ハナビラウオ】スズキ目エボシダイ科の一種で、分布域は釧路以南の各地、北西太平洋、インド洋、大西洋。成魚では体長50cm前後になる。稚魚・幼魚時代はヒレが長く左右に薄く花弁のようにひらひらしていることが語源。幼魚は海表層のクラゲの触手などにつくことから別名「クラゲウオ」とも呼ばれる。成魚は700m以浅の海底に生息し、定置網などにかかることもある。食用魚の一種ではあるが捕獲されることは珍しく、一般的には流通していない。
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