高齢化や人口減少が顕著な谷戸地域のコミュニティ再生を目的に、横須賀市が田浦泉町で整備を進めていた「アーティスト村」の取り組みが4月から本格始動する。芸術家に住まいと創作活動の場を提供し、アートを接点にした地域交流を進めてもらう。今月16日には拠点の完成を祝うイベントが開かれ、企画の発案者である上地克明市長も駆けつけた。
「アーティスト村第1号」の住民として、昨年暮れから土器作家の薬王寺太一氏が横浜市から移り住んでいる。使わなくなった市営住宅を改修、全6戸ある長屋の内1戸を住居スペースとし、残りの2戸を教室兼工房に再生した。薬王寺さんは薪で焼成する本格的な陶芸窯を庭先に建造中で、この場所を拠点に地域住民を対象にした土器づくりのワークショップなどの交流イベントを開く。付近にはホタルが飛翔するスポットもあり、観察会を実施する。
教室兼工房を見学した上地市長は、「アートを通じて地域の絆を育む理想の空間が完成した。都市とは異なる谷戸の新たな価値を発信していく」と展望を話した。市では来年度に新たなアーティスト(居住者)を迎える準備を進めている。
坂道階段「健康増進につながる」
谷戸の可能性を探り、活用の方策を考える全5回の連続講座が市教育委員会生涯学習課の主催で開かれ、25人の参加者が谷戸の住宅が形成されていった経緯を学び、現地のフィールドワークを行った。
最終日の今月15日は「勝手に谷戸をプロデュース」をテーマにグループで発表=写真。車が進入できない坂道や階段をプラスと捉え、安全・安心に楽しめる健康ウォーキングコースの設定や住民の生活支援を行う拠点整備の提案など、活発に意見を交わした。
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