三浦半島の生き物や自然環境の研究・調査を行っている人を招き、市民が専門知識の理解を深め、交流を育むことを狙いに観音崎自然博物館が昨年から行っている「サイエンスカフェ」。3回目となった今月10日には横須賀と縁の深い大御所研究者3人が共演を果たした。各研究分野の著名人とあり、当日は市内だけでなく関東近郊からも参加があった。「東京湾」をテーマに、3人それぞれがこれまでの研究過程や知見を語った。
民俗・生物学から
海村民俗学者の田辺悟さんは、人々の生活の中での東京湾の変遷を解説。かつては湾内にイルカが生息していた逸話や戦時中に敵潜水艦の侵入を防ぐために鉄の網を湾入り口に設置したことで生態系が変わってしまった歴史などを伝えた。
続いて宮内庁の「生物学御研究所」で上皇陛下の研究の手伝いに携わっている林公義さんが登壇。漁師の息子として横須賀で生まれ育ったことから魚を好きになった自身の生い立ちから語り始め、東京湾の魚類層はあまり分析が進んでいない点にも言及。研究の余地が大いにあるとして若手にエールを送った。
市内在住で貝類の研究を長年続けてきた池田等さんはこれまでの自身の研究を基に説明。湾内の埋め立て開発や消滅していった魚介類、伴って消えていった漁種などをスライドで紹介した。
「サイエンスカフェ」はテーマを換えながら、来年も開催予定。
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