第103回全国高校野球選手権神奈川大会の決勝戦が先月28日、サーティーフォー保土ケ谷球場で行われ、横浜高校が17-3で横浜創学館高校を破り、県内176チームの頂点に立った。両校とも校舎は金沢区にあり、その中には横須賀出身の選手も在籍。横浜では宮田知弥さん(3年・追浜中)、創学館では山岸翠さん(3年・浦賀中)、井上洸太さん(3年・池上中)、遠藤稔平さん(2年・大矢部中)がキラリと輝くプレーを見せた。
横浜”攻守の要”チーム牽引
「決勝戦を特別な日にしない」。村田浩明監督の言葉通り、リラックスした雰囲気で入場した選手たち。猛打好投の圧倒的な強さで、3年ぶり19度目の優勝を手にした。
サードでクリーンナップの一角を務めた宮田さんは”攻守の要”としてチームを牽引。準決勝の藤沢翔陵戦では先発投手として、スライダーを駆使した安定のピッチングで相手を翻弄した。
決勝戦では守備で活躍。早い打球でも落ち着いて対応し、フェンスを恐れずにファウルゾーンへ飛び込んで行く姿に、場内から拍手が沸いた。
打撃も光った。1打席目から冷静な選球眼で四球出塁。その後も左中間に抜けるヒット、ライトへ2塁打、最後は犠牲フライで役目を全うした。
幼い頃から兄・凌兵さんと少年野球チーム・夏島ヤングスターズで汗を流した宮田さん。当時コーチとして指導した山本泰さんは「安心して見ていられるプレーだった。優勝は貪欲に努力した結果。甲子園では思う存分、力を発揮してほしい」とエールを送った。
創学館果敢に挑んだバッテリー
13年ぶり2度目の決勝の舞台には強風が吹いていた。ピッチャーマウンドに立ったのはプロスカウトも注目する最速149Kmの山岸さん。勝負の行方は右腕に託された。
ただ準決勝まで5試合500球以上を投げた肩は限界に達していた。低めに沈み込むシンカーは見極められ、球威を欠いた直球はことごとく弾き返された。4回には投球数が100球を超え、ワイルドピッチ。11失点を許す結果となった。
投手は5回から遠藤さんに交代。中学生クラブチーム・横須賀ボーイズ時代から1歳上の山岸さんの背中を追いかけてきた。しかし、いきなり四球でピンチを招き、得意の変化球も横浜のコンパクトな振りに敵わなかった。打撃では三遊間へヒットを放ったが、ホップする伸びのある高めの直球に切って取られ、打線は繋がらなかった。
それでも捕手の井上さんは諦めなかった。試合中、苦悶する両投手に何度も笑顔で駆け寄り「楽しもう」と鼓舞。その一挙手一投足に魂を込めたが、最後はライトフライで終止符が打たれた。
その様子を固唾を呑んで見守った横須賀ボーイズ(当時)コーチの飯塚龍夫さんは「強豪にも臆せず、力投する姿に誇りを感じた。悔しい負けを喫したが、これを今後の野球人生の糧にしてほしい」と2人を励ました。
山岸さんは試合後「疲労は言い訳にならない。井上とはバッテリーとしてずっと練習してきた仲間。ただただ感謝したい」と短い夏を終えた。
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