本まぐろ直売所
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馬の毛の弓で弾き、ヴァイオリンに近い硬く澄んだ音色―。ギリシャの古楽器「プサルタ」を手作りし、演奏活動しているグループがある。平均年齢77歳の「エーデルワイス」。2007年から活動を始め、現在は6人のメンバーで練習を重ねている。
古楽器「プサルタ」優しい音色届ける
発足のきっかけは、2006年12月、市内の小学校を会場に開かれたプサルタのコンサート。そこで演奏していたのが、津久井在住の森英三郎さん、芳恵さん夫妻。その音色の表現に感激した市橋美代子さん(池上在住)が、森さんに「教えてほしい」と志願したのが始まりだ。
森さんは20数年前、ボランティアで県のライトセンター(視覚障がい者支援施設)に関わっていた中で、全盲の人から「手作り楽器クラブ」に誘われた。そこで出合ったのがプサルタだった。あまり市販されておらず、「作って弾く」ことで受け継がれてきたもの。もともと、DIYなどものづくりが得意だったこともあり、”見知らぬ楽器”の自作にのめり込んだ。土台となる木材やピアノ線などを調達、線を止めるピンはチェンバロのものを使っている。「自分が手掛けた楽器を鳴らすのは、作るのとまた違った喜びがあった」と振り返る。
一方、市橋さんはお話し会(読み聞かせ)ボランティア「けやきの会」のメンバー。初めて聞いた感動をそのままに、その仲間に声をかけ、森さんを”先生”に招いて、北下浦コミセンの工作室などを使って「楽器作り」が始まった。特に制作キットが販売されている訳ではなく、切り出してもらったパーツを組み立て、慣れない道具に苦戦しながら、半年〜1年かけてようやく完成した。それぞれ、サウンドホールの内側に好きな絵を入れたりストラップを付けたり。楽器を収納するケースも森さんの手ほどきで自作した。
その後、森さん夫妻と共に演奏の練習を始めて、最初に弾いた曲が「エーデルワイス」。これをグループ名にした。童謡や唱歌などをレパートリーに児童図書館や高齢者施設などで演奏するようになった。2018年には、発足10年のコンサートを開いた。もちろん、プログラムの1番はこの曲。心にやさしく響き、郷愁を招く音色は、どの会場でも好評だ。
自分で奏でる楽しさ
昨年来、コロナ禍もあり発表の場がなくなってしまった。メンバーが集まれない期間もあったが、運指や弓の位置を忘れないよう、それぞれ自宅で練習を重ねている。最近では月1回、近況報告をしながら2時間の合奏を楽しむ。
「お正月など、家族が集まっているときに披露している」と嬉しそうに話す岡田和子さん(光風台在住)。大坂和子さん(鴨居在住)は「できる限り続けたい。音楽は必要なもの。自分で奏でることが、張り合い」と、いきいきとした表情だ。「この音色の優しさに自分も癒されている。合奏は貴重な時間だから、良い演奏ができるよう練習している。機会があれば、多くの人に聞いてほしい」と活動のきっかけを作った市橋さん。「世界に1台の宝物」を手に笑顔を見せた。
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