サッカーのU―20や関東、関西などから選抜された選手が一堂に会す地域別対抗戦「第36回デンソーカップチャレンジサッカー」が3月9日(水)に開幕する。これに出場する全国約4千校ある高校サッカー部の代表選手チーム・日本高校選抜のコーチに就任したのが、久里浜台出身の鈴木勝大さん。県内の指導者としては初。桐光学園(川崎市)では監督として、全国へ5度導いた名将だ。
タフさ磨いたシーガルズ
高坂小1年の時、漫画「キャプテン翼」に影響され、クラブチーム「横須賀シーガルズ」に入団。「足腰を鍛えるため練習場の粟田小まで往復約10Kmの道を毎日歩いて通った。練習は厳しかったが心地良い汗を流し、体も心もタフになれた」
その後、久里浜中を経て、名門・桐光学園に進学。3年時には主将も任された。1つ下には今も現役を貫く中村俊輔選手がいた。「皆、彼を天才と言うが”努力の天才”だった。グラウンドの照明が消えるまで自分の課題と向き合う姿が目に焼き付いている。ひたむきさを今の高校生にも伝えたい」。中村選手が部に寄贈した「セルティック」時代のユニフォームを感慨深げに眺める。
国士舘大学2・3年時には「デンソーカップ」にMFで出場。学生のための五輪として知られる「ユニバーシアード」の日本代表にも選ばれた。
卒業後はJリーガーとしてアビスパ福岡やサガン鳥栖などでプレー。29歳で引退し、ロアッソ熊本の指導者として第2のキャリアをスタートさせた。2012年には母校・桐光のコーチに、翌年には監督を継いだ。
横須賀から規格外の選手
今冬の「第100回全国高等学校サッカー選手権大会」で、新進気鋭のセンターバックとして圧倒的な存在感を放った長沢中出身のチェイス・アンリ選手(福島県・尚志高)。彼が今回の高校選抜に選ばれている。ドイツ1部リーグ「シュツットガルト」とのプロ契約が期待されており、実戦練習で規格外の身体能力をまざまざと見せつけられた鈴木さんは「まだ伸びしろがあり、世界で活躍できる選手」と評す。
大会を前に、指導にも熱が入る。選手のプレーだけではなく、表情や立ち振る舞いも見逃さない。「勝利のためにそれぞれに犠牲心を持たせながら、個性を引き出したい。サッカーを辞める日がいつか来る。上手い選手ではなく、人として強い選手になってほしい」。青年から大人へと変貌を遂げる高校生に人生の指標を示していく。
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