魚を置かない魚屋さん ネットで繋ぐ札幌ー三笠
三笠通り商店街の一角に「北海道」と書かれたのぼり旗。水槽は置かず、代わりに設置されているのは一見魚屋にそぐわない電子機器だ。
4月にオープンした「iPad鮮魚店」は、iPadのTV電話機能を使って札幌の鮮魚店の様子を生中継する。画面の向こうにいるのは札幌中央卸売場外市場の天内(あまない)秋穂さん。札幌で普段通り営業しており、横須賀から声がかかるとカメラ越しに接客する。魚をアップに映して鮮度の良さをアピールしたり調理方法を説明するなど、約870キロ離れた客を相手にリアルタイムで対応。客はお目当ての魚をその場で注文できる。購入時に送料はかかるが、「パソコンが苦手でインターネットでの買い物をあきらめている方や、重い荷物を持ち帰れないお年寄りの方などの利用を想定している」と同店スタッフの泉まいさん。横須賀では手に入りにくい鮮魚を入手できることや、画面越しではあるが実際に見た商品を購入できる点が魅力となっている。
開店から約1カ月。珍しい販売方法のせいか、なかなか直接的な売り上げに結びつかないのが現状だ。しかし「北海道」の文字に足を止めた客から「おれも北海道出身なんだ」と故郷の話で盛り上がることも。最新機器を使っているが、人との会話を大切に地域に根付いた魚屋を目指す。
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