横須賀市は、スマートフォンなどのカメラを使い、静止画像から動画などを見られるAR(拡張現実)技術を使ったサービスを導入した。11月の「広報よこすか」に対応画像を掲載。若者に関心を持ってもらうことや、画像だけでは伝わらない情報を発信することが狙い。
ARとはAugmented Realityの略で、実際の映像(現実)をスマートフォンなどのカメラを通して見ると、コンピューターからの情報が画面上で補われる(拡張)機能のこと。車のフロントウィンドウに搭載することで、見ている風景上に目的地や渋滞情報を投影したり、専用カメラで覗くことで現実世界にゲームのキャラクターを登場させ、楽しむことができるなど、近年幅広い分野で導入が進む技術だ。
横須賀市は、11月の広報紙の画像2枚に県内初となるAR技術を導入。画像をスマートフォンなどのカメラで写すことで、画像に関連する動画が画面上に流れる仕組みだ。「行政情報に関心の低い若年層」に興味を持ってもらうことや、画像だけでは伝えきれない”プラスα”の情報を発信するのが目的。利用するには、AR専用のアプリをダウンロードし、「横須賀市チャンネル」をフォローすることが必要となる。
低コストが後押し
広報課の若手職員のアイデアで実現した同サービス。すでに取り入れている他の自治体などを手本に、効果的なARの魅せ方を検討した。専用アプリが無料で手に入ることや、画面上で流す動画に、既存の資料映像を使用することで、コストはほとんどかかっていないという。「その点も導入を決めるきっかけになった」と市広報担当者。
今月15日(土)実施の「ヴェルニー・小栗祭式典」を皮切りに配布を開始する、横須賀製鉄所(造船所)のパンフレットにもAR機能を採用。来年創設150周年を迎えることを記念し作られたもので、「AR」のマークがついた製鉄所の画像から、建設の立役者である小栗上野介やフランス公使ロッシュの紹介動画を見ることができる。市広報担当は、予算面などで制限があるとした上で「今後はさらに最新技術を活かしたコンテンツを用意していきたい」と話す。
「動画ならでは」の伝達
他自治体では、埼玉県三芳町や大阪府、同府豊中市の広報で使われている。心肺蘇生講習会の様子や演奏会の練習風景など、「動画ならでは」の映像を用意することで、”伝わりやすさ”をめざしているという。吉田雄人市長は、先月の定例記者会見で導入について「色々な媒体にチャレンジしていくべき。積極的に取り入れることで、若い世代へのアプローチや動画での告知が効果として得られるのでは」と話している。
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