60歳以上の選手だけが出場できる「全日本選抜還暦軟式野球大会」が今月9日から13日にかけて宮城県で行われ、県代表として出場した「横須賀シニア」が頂点に立った。同大会で優勝を果たしたのは市勢で初の快挙。
還暦野球は本塁間の距離などが近い以外は通常の野球と同じルールで行われ、現在は全国で約500チームが活動している。
「横須賀シニア」には現在、古希のチームも合わせ60歳から83歳まで、市内在住の選手を中心に約70人が所属している。法政二高(川崎市)で甲子園優勝を経験した根岸郭美さん(74)なども在籍しており、全国大会にも度々出場する強豪。週2回、衣笠公園で4時間の練習、週末は試合と精力的に取り組んでいる。
各都道府県から推薦を受けた精鋭64チームが参加する今大会。同チームは春の県大会準優勝などの実績を考慮されて出場した。初戦では優勝候補の呼び声高かった新潟のチームと激突。打線がワンチャンスで掴み取った虎の子の1点を監督兼エースの川田茂さん(67)=人物風土記で紹介=が完封して守り切った。その後の3試合では全て逆転勝ち。13日の準決勝でも最終回に3点を奪い、試合をひっくり返した。続けて行われた決勝では前の試合で完投した川田さんがそのまま先発してまたもや完封、頂点に立った。全6試合中、4点差以内の接戦が5試合、逆転勝ちも4つと勝負強さが際立つ形となった。
4日間で6試合勝ち抜き
川田さんは「戦線離脱者が出なかったことが大きい」と話す。同大会は4日間で6試合を戦うハードなスケジュール。残暑が残る季節でもあり、毎年どのチームも勝ち上がるにつれ、足の張りや、腰の痛みなどを訴える選手が続出するケースが多いという。
「横須賀シニア」でも過去に出場した同大会で終盤になればなるほど怪我人が相次ぎ、準決勝の壁を超えることができないでいた。
そこで昨年からは冬場に走り込みなどで足腰強化を徹底。通常の練習ではランニングやストレッチに45分以上の時間をかけることで、怪我防止と体調管理に力を入れた。すると今大会では取り組みの成果が現れ、全員が怪我なく最後までプレーできる状態を維持。「優勝の一番の要因」と川田さんは胸を張る。
今後の目標については来年の全日本大会を見据えている。「今大会は高校野球で例えると春の選抜のようなもの。全日本も制することが大事」と意気込む。正真正銘、日本一のチームを目指し、再び挑戦の道を歩き出す。
|
<PR>
横須賀版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|