上町商店街の空き店舗を活用した「上町休憩室」が今月3日に誕生した。本を通じた人々の交流・情報収集、発信拠点とし、商店街への集客にも繋げたい考え。
「文化会館入口」の信号近くに位置する「上町休憩室」は7坪ほどのスペースでレトロな雰囲気。椅子、机が置かれ、休憩や飲食スペースとして利用できるだけでなく、愛好家や作家、近隣のカフェなどから寄せられた本が並び、その場で自由に閲覧できるのが特徴。以前は精肉店だったが5年ほど前に閉店。以降空き店舗となっていた。その1年後に上町商盛会商店街振興組合の有志でこの場を無償で借り、無人状態で開放したが管理が行き届かず、半年ほどで中断せざるを得なくなった。
2度目の試みとなる今回は組合加盟店「ベイクドみのり屋」の斉藤健太朗さんが繋ぎ役となり、4月に文化会館で行われた「ブックミュージアム」の企画に携わった西村大佑さんがボランティアで管理を担当。休憩目的だけでなく、本を置くことで訪れる人々の交流拠点としての役割が期待される。
上町知る契機に
税務署移転や病院移転方針など、上町商店街を取り巻く環境が様変わりしている。さらに斉藤さんは「多様化した、特に若い世代の価値観に商店街メンバーだけではついていけなくなってきた」と話す。そこで客観的な目線から商店街の良さを見つめ直すため、親交のあった西村さんに協力を求めた。
「小さな個人経営の本屋、本をテーマにしたホテルやイベントが近年全国的に広がり、本の持つ求心力が注目されている。『上町休憩室』にも本の力で市内外から人を呼び込み、歴史的価値のある建築物や昔ながらの商店が今でも色濃く残っている上町の大きな魅力を気づかせるきっかけにしたい」と西村さん。
周辺施設との連携模索
将来的には商店街や文化会館、自然・人文博物館といった近隣施設のイベント情報がわかるリーフレットも置きたい考え。また蔵書を順次増やすほか、商店街イベントや博物館との連携も模索していく。
開放は毎週土曜日の午前11時から午後6時まで。今後は平日のオープン日も増やす予定で、「上町休憩室」のツイッターアカウントで情報を発信する。
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