未曽有の被害をもたらした東日本大震災。2011年3月11日の発災から10年が経過しようとする今もなお、被災地への復興支援に力を注ぐ人たちがいる。新型コロナ感染拡大の影響により、現地に足を運ぶことは困難な状況にありながら、希望の光を照らし続けている皆の思いはただ一つ「あの時の記憶と教訓を風化させない」ことだ。
NPO法人横須賀国際交流協会の有志12人は、震災の翌年から宮城県気仙沼市や岩手県陸前高田市の保育園などを訪ねて回り、被災地の子どもたちの成長を願って、つるし雛を届けてきた。
それぞれが持ち寄った古着物で、縁起物とされる鶴や鯛などを手縫いで制作。その人形の数は延べ4千個以上にも上る。
鴨居にある自宅で着物教室を営むメンバーの眞汐優子さんは「赤ちゃんだった子が今ではランドセルを背負う姿を見るとうれしさが込み上げてくる」と笑みをこぼす。
ただ今年はコロナ禍で被災地への訪問を断念した。「郵送するのは簡単。震災の記憶と教訓を忘れてしまわぬよう直接届けることに意味がある。海に面した横須賀も他人事ではないから。コロナ終息の際には改めて現地の景色を目に焼きつけたい」と前を向く。
サポセンでパネル展
震災発生時から現在まで復興支援を続ける市内団体の活動を紹介する展示が来月8日(月)から、汐入駅前の市民活動サポートセンターで開かれる。
NPO法人「元気ハツラツ明るいまちづくり」は、横須賀市と友好都市を結んでいる福島県会津若松市復興支援イベント「元気ハツラツフェスタ」を横須賀中央駅前広場で開催。福島県物産展や市内ダンスチームによる「すかっ子ソーラン」の披露と併せて、会場に設置した募金箱で寄付を募り、これまで281万1939円を被災地に届けてきた。来月13日(土)と14日(日)にも実施予定。
このほか、東北への物資提供や音楽家を目指す現地の高校性を横須賀に招き、プロと交流させる「夢は叶うプロジェクト」を展開する南三陸支援チーム「ありがとう」、手芸や編み物作品の販売収益を被災地へ寄付する「My little hands」、リサイクル事業などで復興支援する「WE21ジャパンよこすか」など約5団体の取り組みをパネル写真や文章で紹介する。
問い合わせは【電話】046・828・3130
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