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給食の意義知っている? 全市立中学校で9月末開始

教育

公開:2021年7月9日

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中学校給食ではトレーを導入。給食当番が盛り付けたものを受け取る形式。写真は提供イメージ
中学校給食ではトレーを導入。給食当番が盛り付けたものを受け取る形式。写真は提供イメージ

 横須賀市の市立中学校23校で9月下旬から「完全給食」が実施される。完全給食とは、米飯やパンなどの主食とおかず、牛乳を揃えて提供すること。2016年7月に市が方針決定し、準備を進めてきた。平作に建設中の給食センターで約1万食を調理。保温・保冷機能のある食缶を使って配送車で各校に届ける。中学校になぜ給食が導入されるのか、昼食の時間がどのように変わっていくのか──市教育委員会の木村生子さんに聞いた。

「食への関心、高めるきっかけ」

──全国で中学校給食の実施率は9割を超えています。対して神奈川県は約4割と低水準。横須賀市の導入経緯を聞かせてください。

 「昼食は長い間、家庭からの弁当持参が原則でしたが、保護者を中心とした多くの市民から給食実施の意見や要望があり、市教育委員会として全員喫食の完全給食を実施することを決めました」

──中学校でなぜ給食が必要なのですか?

 「給食には栄養摂取の役割だけでなく、昼食を生きた教材として活用し、『食育』を推進する大きな目的があります。栄養や食文化、地場産品などを理解する実践の場。各家庭から持参する弁当では、これを一斉に伝達することは難しいのですが、同じメニューを全員が食べる給食なら可能。給食は授業という位置づけです」  

──給食の実施方式には「自校方式」と「センター方式」があります。市が後者を採用した理由は?

 「導入までのスピードを最優先しました。各校に調理場所を設置すると膨大な時間とコストがかかり、一斉実施が難しくなります」

──小学校給食との違いはどんな点でしょう?

 「一番は量です。育ち盛りの中学生に栄養バランスの取れた給食を提供します。沢山食べたい人、体型を気にして少量で済ませたい人もいますが、主食(米飯)に関しては、成長期の中学生に最低限これだけは摂取してほしいという盛り付けの目安の線を器に表示します。これを参考に、主食の量を調整してもらいます」

──地場産物を取り入れると聞きました。

 「のりやキャベツなどの地場産物を積極的に活用します。1万食を調理するため、量の確保が課題ですが、食育の観点からも地場産物の使用を進めます。素材の味を活かしたおいしい給食を提供するために出汁を手づくりするなどの工夫も。『いそあえ』『揚げじゃがいものそぼろ煮』といった小学校給食の人気メニューも取り入れる予定で、懐かしい味を楽しんでもらえるはずです」 

──食文化で言えば、小学校給食のメニューに「チャップスイ」があります。いわゆる「中華あんかけ」ですが、市外の人にそのネーミングはピンとこないよう。沖縄の食堂などで提供されているもので、基地の街ならではのメニューだと聞いたことがあります。

 「”基地の街説”は初耳ですがが、中華系のアメリカ移民が祖国の味を懐かしんで作ったのが起源だといいます。こうしたルーツを食文化の観点から調べると新しい発見や学びがあるかもしれません。歴史、食文化、栄養など『食育』を広い視野で捉えて複合的な学びを提供できれば。将来的には、生徒発案のメニューやレシピを取り入れることも考えています。給食を介して、生徒と保護者に食への関心を高めてほしい。学校と家庭と連携しながら『食育』の推進に取り組みます」

 神奈川県では実施率の低い中学校給食。小学校のように校内の給食室で作られる「自校式給食」を導入している自治体はほとんどありません。それでは、隣の市や町の中学生はどんな「お昼」を食べているのか、探ってみましょう。

三浦市

 三浦市の中学校給食の歴史は古く、南下浦小・中の共同調理場(給食センター)が完成したのが、1964年。現在は、2カ所の「共同調理場」で小中学校計11校、約2400食の給食を作っています。共同調理場から各校へ食缶で運ばれ、教室で配膳します。給食費は4700円。献立は小中同じで、地場野菜や地元の水産加工品も積極的に使われています。

逗子市

 「ボックスランチ方式」の完全給食を2014年から導入しています。主食(主にごはん)、副食(おかず)、汁もの、牛乳の組み合わせで、横須賀市内の事業者が作った「お弁当」を毎日各校に運んでいます。「デリバリー式」とも言われ、1日分から事前に予約するシステム。1食324円で利用している生徒は7割近く。現在は、小学校で中学校の給食を作って配送する「親子方式」も検討されています。

葉山町

 中学校は2 校あり、今の横須賀市と同様に弁当持参で牛乳だけ提供する「ミルク給食」ですが、保護者のアンケートなどでも給食の要望が高く、実施が議論されるようになりました。小学校の給食施設も老朽化していることもあり、「給食センター」を建設して、中学校だけでなく小学校にも配送する「センター方式」の導入を予定しています。

横浜市

 学校数が144校と全国でも最大規模の横浜市。長らく家庭から持参する弁当が主体で、2016年から、事業者によるデリバリー弁当「ハマ弁」が始まりました。今年からこれを「給食」に位置づけて、市が献立作成や衛生管理に携わるようになりました。1食330円で注文率は約20%。「全員が同じ昼食を食べる」スタイルではなく、家庭からの弁当持参や学校でのパン注文なども併用されています。

横須賀市教育委員会学校教育部学校食育課木村生子さん
横須賀市教育委員会学校教育部学校食育課木村生子さん

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