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東京大学三崎臨海実験所異聞〜団夫妻が残したもの〜 文・日下部順治その9 今そこにある課題

掲載号:2018年4月6日号

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海を臨む実験所本館
海を臨む実験所本館

 前回、団ジーンの終戦時点での社会活動家としての業績を紹介しました。本来の発生生物学における研究成果については、改めて後日お伝えすることとし、団夫妻にかかる記事については、ここでひと休み致します。

 現在、実験所の建物は経年劣化が進行。老朽化による不具合が発生し、「建物のこれから」が目下大きな課題となっており、このテーマを取り上げたいと思います。

 連載の冒頭で述べたとおり東大三崎臨海実験所(以下、本施設)は、昨年開設130周年を迎えた我が国屈指の背景を有する生物学の国際的な研究の場です。その由緒は、彼のエドワード・モースの実験所の流れをくみ、特に戦前は、国内外の研究者が集う日本最大級の国際交流機関でした。そして戦前・戦後、首都圏の多くの学生・生徒が実験のために訪れ、合宿する施設でもあり、この学府から多くの人材が輩出され、全国の教壇に立つことになります(団ジーンものちに、お茶の水女子大学で講師となります)。

 戦後、本施設がいち早く実験の場として機能したのは、団勝磨のあまりにも有名なメッセージ「The last one to go―最後に立ち去る者より」によって建物が爆破から免れ、且つこれにより終戦した年の年末には接収が解除されました。

 本題に入りますが本施設の建物群のうち、元水族館棟(現在は使用されていない)は、昭和7(1932)年、現本館は昭和11(1936)年の建立で、ともに80年以上経過しています。このため建物にはクラックが入り、また耐震基準も満たしておらず、これらの建物、特に本館の外観がどうなるかが憂慮されるところです。油壺湾に面して立つ本館の外観は、その優美な姿で多くの人に愛される”一幅の絵”。愛好家が多くの絵や写真を残し、地元のみならずこの地を訪れる多くの人が称賛する眺めです。この地区には、高齢者施設が集中しており、入居する方々にとっても「心癒される日常的な景色」になっていることでしょう。

 その歴史的・風景的価値などから、まさに三浦半島に所在する国民的文化遺産とも言えます。以上のことから、「この外観はどうしても保存されるべき」と強く望むばかりです。    (つづく)
 

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