三浦版 掲載号:2018年4月20日号
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連載 第14回「三樹院のこと」 三浦の咄(はなし)いろいろ みうら観光ボランティアガイド 田中健介

三樹院、石仏群の上にある無縁法界塔
三樹院、石仏群の上にある無縁法界塔
 「上宮田」の地に「仲今井」という小字(こあざ)があります。その地に「海東山・三樹院」があります。「浄土宗」の寺であって、開山は「照蓮社遍誉上人」で、祀られている「十一面観世音菩薩」は巴御前の兄である今井四郎兼平の守り本尊であったと伝えられています。

 浜田勘太氏著の『南下浦の歴史探訪記』の中に当寺の「由来縁起」として、次のように記されています。

 「抑々(そもそも)当山の由来を尋ぬるに、往古今井の四郎兼平、出陣の砌(みぎ)り(とき)、この地に仮屋を設け給う。其の旧跡は、今井当長谷川清左衛門屋敷跡にあり。此の故(ゆえ)を以(もっ)て今に当所の字(あざ)を今井と称す。其の後鈴木某なる者、大道心の発願し、彼の兼平の仮家を持ち来り一宇を建設し、海東山三樹院を号し、十劫寺末と改む。然(しか)るに本尊無之処(なしのところ)、寛永五年(一六二八)江戸芝増上寺遍誉了海上人七十三才の年、応行上人作の十一面観音菩薩笈来(おいき)寄付して当山の本尊と改め、三浦三十三所の札所にし給ふ也。」(後略)。とあります。

 その三浦観音札所十番の御詠歌は「今日(けふ)はいて、明日(あす)ハ今井(居まい)のわが命(いのち)仏はしろしめさるべきかな」とあります。この歌では「明日ハ今井のわが命」とあります。「あしたには吾が命は無いだろう」とうたって、観音さまに吾が命を託することなのでしょうか。

 また、この寺に井戸があります。『三浦古尋録』の中の「上宮田村」の項に「今井ハ三浦五井ノ一也」と記されています。寺の境内に「今井の井戸」と表題され「この井戸は往時の三浦五井(今井、筑井(津久井)、大井戸、吉井、長井)の一つで、一説に今井の地名はこれより起こったといわれています。」とあり、「当山の地蔵尊のご詠歌のとおり「てむけするいまいのしみずおとたてて…」と、井戸の清水は今も滾々(こんこん)と湧いています。」と書かれています。「地蔵尊のご詠歌」は「てむけする いまいしみずの おとたてて みちびき給ふみきのみほとけ」が全文です。

 さらに、寺の境内に「無縁法界塔」と彫られた石塔があり、その下にたくさんの石仏が台状にぎっしりと並べられています。さらに、道路側に新しく「親子地蔵菩薩」が真白い石仏として祀られています。その説明板もあり、その「言われ」として、「末法濁世に留まって人々を導き、救済の手を差し伸べるありがたい菩薩で、しかも子を持つ親がわが子を愛(いと)おしむような姿をしている。」と書かれています。

(つづく)

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