連載7 世界一の素敵親子をめざして 文・家庭教育支援チーム「はっぴー子育て応援団」
(つづく)
ここ数年の梅雨は、雨と夏の太陽を交互に楽しませてくれましたが、今年は長雨による忍耐を強いられました。曇ってグレー色の空が続くと、以前にドイツのハンブルグに住んでいた時のことを思い出します。ドイツの冬は長く寒く暗い。朝9時頃に明るくなり、15時には暗くなり始める―そんな季節が半年近く続くなかで、一人ひとりが冬の楽しみ方を持っています。かたや、たった1カ月半の梅雨の季節。楽しむことが出来たのかと自問自答してしまいます。
ドイツ人は、1年を通して週末に家族や友人とお茶を飲み語らう時間をとても大切にします。当時はケーキ2種類とチョコレート、クッキーなどを用意しましたが、お母さんがその家に伝わる伝統のレシピで気軽に作れるケーキを焼くことも多く、焼きたてのケーキの話から会話が始まりました。甘いものを食べながらゆっくり語らう時間は、親交を深めます。スイスのリッチモンド製菓学校の校長先生から「お菓子は国を越えて人と人とを結ぶ大切な存在なんだよ」と教えられましたが、確かにそのとおりでした。
お茶の席には、子どもも同席します。ケーキの食べ方などのマナー、会話の仕方を小さい頃から日常の中で自然に学びます。西洋人にとって「社交」は人生に欠かせないもの。私もたくさんの人とケーキを囲んで楽しいひと時を過ごしました。男女問わずケーキをおいしく食べることは、社交の原点なのです。
夏休みに入りお子さんと過ごす時間が増えた方も多いと思いますが、ぜひ毎日の会話を大切にしてください。時には、家族を越えての会話の場を作りましょう。「会話」はコミュニケーションの原点です。子どもは、会話を通してコミュニケーション力を育み、自己肯定感を高めます。社会ではコミュニケーション力が求められていますが、日常の中でゆっくりと身につくものです。子どもの興味のある話を話題にしながら、今年の夏休みは、コンビニの小さなスイーツを囲んで親子のお茶会を楽しんでみてください。思春期へとつながる親子のパイプが出来るはずです!
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