したうら塾「海辺の生き物を学ぶ」教室の講師を務める 辻 功さん 南下浦小学校教諭 56歳
「尊敬し合う心を持つ」
○…講師を務めるのは今年で4回目。8月7日の教室では、海辺で子どもたちと一緒に海の生物を捕まえて解説を行う。映像や資料だけの講義ではなく、実際に触れたり見たりする。「ヌメっとした感触や柔らかさ硬さなど、触れて初めて分かることがある。図鑑では得ることができないものを体感できる」。三浦周辺は多くの自然が残る。「磯に住む生物は不思議がいっぱい。子どもたちに楽しさを味わってもらいたい」と期待する。
○…父親は船員。生まれは和歌山県だが、2歳の時に父親の仕事の都合で三崎に来た。小学校の頃は体が弱く、学校に行けない日が多かったという。「家にいることが多かった。楽しみは昆虫や生物の図鑑を見ること。それがきっかけかな」と振り返る。大学は農学部に。しかし、将来専門家や研究者の道に進むことは考えなかったという。「自分が好き、楽しいという思いを多くの人に伝える側になりたいと思って」と、生物の魅力を伝える広報マンのような立場を選んだ。
○…卒業後は教師の道へ進み三浦市内の各小学校で教鞭に立った。個性豊かな子どもと良好な関係を築く上で大切にしていることがある。それは「相互に尊敬し合うこと」と説く。「人間同士お互いを尊敬し合う心が持てると自然に理解が深まりコミュニケーションがとれる」と話す。
○…オリジナルの名刺には、トンボの写真が。「日本のトンボは、世界中どこのトンボよりも美しい。飛ぶことに特化したこの流線型の姿が特にね」と熱く語る。自宅には亀や水生生物などを飼っている。どの生物も長生き。こだわりは、自然に近い環境を整えること。餌は、川や海で捕まえたもので、水は雨水を使う徹底ぶり。自身が責任を持って管理する。「泊りの時はクーラーボックスに入れて一緒に行ったよ」と笑う。「人間も生物も同じ生き物。どっちが上とか下とかはない」と言い切る。
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