昭和館で開催している戦争の悲惨さを伝える企画展に資料を提供した 高梨 健児さん 南下浦町在住 77歳
諦めない心で取り組む
○…戦争の悲惨さと平和の大切さを伝える企画展を開催しているチャッキラコ昭和館。中でも目を引くブースがある。太平洋戦争時の日本本土決戦計画に関する資料の展示だ。米軍の本土進攻計画、日本本土決戦体制等、活字を見ると背筋が凍る思いがする。「当時の米軍は、日本本土への攻撃計画を具体的に立てていたことが調べてわかった。もし、終戦日が延びていたら私たちはどうなっていたかをこの機会に考えてほしい。今の日本は全く違ったものになっていたと思う」
○…ブースには、本土決戦に備え旧日本軍の作戦命令における内容や三浦半島の軍事施設の場所、配備状況等が記された地図が展示されている。三浦市内にも軍事施設が造られていたことが分かる。「戦争を知る人はどんどん減っていく。後世に伝えていかなければいけない」と使命感を滲ませた。兄をフィリピンでの戦いで亡くしている。しかし、フィリピンのどこで、どのような状況で戦死したのか、詳細は伝えられていなかった。関係各所などに出向き調べ詳細を把握することができた。その過程で「終戦間際のフィリピンの戦いは、日本本土決戦を引き延ばすための戦いだったことが分かった。心が痛む」
○…松輪で生まれ育つ。学生時代から歴史に関心を持つ。太平洋戦争に関しては自身にとって大きなテーマのひとつ。疑問があればわかるところに出向く。逆に友人から資料が寄せられることも。「私一人の力では限界がある。仲間の協力はありがたい」と感謝の気持ちを忘れない。
○…健康維持のため、ランニングをしているという。「運動と食は大切。体に良いものを食べて全身に栄養をまわす。これが健康維持の秘訣」と笑う。性格は「コツコツと積み重ねていくタイプ」と自己分析。収集した資料は、項目、系統別にきっちり区分けする。今後は「戦後の農地改革について深く調べていきたい」と更なる意欲を見せる。
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