三浦商工会議所の会頭に就任した 鈴木 金太郎さん 小網代在住 72歳
人つなぎ、集う三浦に
○…3期9年務めた寺本前会頭から重責を引き継ぎ、三浦商工会議所の会頭に就任した。人口減少や地域経済の衰退など、街を覆う閉塞感打破をめざして掲げる重点課題は、漁港経済の再生、観光振興、地域資源の活用だ。経済界、自治体、住民が一丸となって取り組む必要性を説き、「少しでも三浦のためになれば」と決意を改めた。
○…城ヶ島、漁師の家庭の生まれ。母親代わりに生計を支える姉の姿を見て育ったため、中学へあがる時分には開通直後の城ヶ島大橋周辺で土産物を販売するなど、幼い頃から商人の気質があった。15歳で神田の衣料品会社に奉公へ。雑務をこなし、ときに叱咤されながら商売の心得を学んだ。「大切なのは心理的な要素」。相手が何を望み、どうすれば喜んでもらえるか―。ニーズを丁寧にくみとり、対応する力が経営者としての資質のひとつと持論を語る。
○…首都圏に鮮魚卸や飲食店など約25店舗を展開する鈴木水産を一代で築いたたたき上げ。奉公先から三崎に戻り、同社の前身である鈴木商店を
20歳で立ち上げた。まぐろを積んだ幌馬車の行商が原点で、第1号店はわずか1坪半。そこから徐々に拡大させ、今では三浦半島屈指の企業へと成長を遂げた。半世紀前からのこだわりは、品質・価格、そしてお客様第一であること。「人との出会い、めぐりあいに支えられている」
○…二町谷埋立地利活用や城ヶ島西部地区再整備計画。地域活性化に向けて追い風が吹きつつあるが、ハード面の目新しさだけに頼ることなく、「観光や定住、人に来てもらえる魅力がなければならない」と強調する。人が集えばにぎわい、にぎわえば経済はまわる。令和時代に漕ぎだした船のかじ取り役として、手腕の見せどころだ。
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