三浦半島 草花歳時記 第11回 外来種「アメリカネナシカズラ」 文・写真 金子昇
和田長浜海岸での観察の折、群落するハマゴウの上に黄色い網のようなものが覆われている光景を目にしました。もしかしたら?との思いで近寄ってみると、予期していた「アメリカネナシカズラ」でした。
アメリカネナシカズラ(ヒルガオ科)は、北アメリカ原産つる性の寄生植物(根を他の植物に巻き付け、養分等を奪って生活する植物)で、最近増えて農作物等に大きな被害を与えている外来種です。1970年頃日本へ侵入し、国内産のネナシカズラを凌ぐ勢いで分布拡大しています。
種子から発芽すると根は枯れますが、葉は他の植物に巻き付き、吸盤状の寄生根で養分等を吸い取る吸血鬼のような存在です。黄褐色の海藻や漁網が干してあるかのように見え、日本植物友の会の曽根伸典氏は「中華そばを草地に打ち負けたような景観」と表しています。(注)浅井康宏著「エイリアン植物記」より引用。
数年前宮古島で、これと非常によく似た「スナヅル」を観察しましたが、こちらはクスノキ科で花や果実の様子が大きく違っていました。
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