三浦半島 草花歳時記 第16回 美しい花「スイセン」には毒がある 文・写真 金子昇
今頃城ヶ島公園の「スイセン」は、最盛期を迎えていることでしょう。同園の「スイセン」は主に八重咲水仙で、花弁状のものが多数あります。この花弁状を「花被片」(かひへん)といい、花弁と萼片をまとめたものを指します。一重咲きは花被片が6枚で、花の中央には黄色の杯状をしたもの(副花冠―花被片が変化したもの)が目立ちます。
スイセンは地中海沿岸原産の「フサザキズイセン」から改良された種類が世界各国に広がり、日本へはシルクロードを経て、大陸から球根が海流に乗り漂着したといわれています。そのため日本で見られる群生地が、房総半島・伊豆半島・淡路島・越前海岸等の黒潮の通り路の海岸に集中しています。
名の由来は水辺に咲く様子が、「水の仙人」のように美しいのでつけられました。漢名の「水仙華」から和名「雪中華」としましたが、現在では単に「水仙」で呼ばれています。全草有毒で、特に球根は強い毒を持っており、葉や茎の切り口から出る液はかぶれることがあるので、扱いには十分留意してください。
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