小網代に開所した三浦市社協「暖館」の館長を務める 高根沢 奈津子さん 下宮田在住
やりがいは苦労の先に
○…制度改正に伴い神奈川県で初めて共生型サービス施設として認可を受けた「暖館(あったかん)」。社会福祉法や介護保険法、障害者総合支援法など従来は縦割りだった福祉サービスが垣根を超え、年齢や障害に関係なく誰でも住み慣れた地域で暮らせる体制づくりがまた一歩前進した。暖館には高齢者と障害者児のデイサービスが同居。「これから親交を深めたい」。小網代の住宅街の一角から地域共生の輪を広げていく。
○…福祉業界に入って10年以上が経った。住まいの近くで働き口を探していたところ、市内各所にある介護・福祉施設に目が留まり、パート職員として働き始めた。「この業界で働くことにハードルの高さは感じなかった」。たとえ利用者が認知症を患っていても、コミュニケーションで意思は伝わる。「こんな表情が見られるのかと思ったことがあって」。知れば知るほど仕事の奥深さを感じ、資格取得などスキルアップに励んだ。
○…現在は障害児通所支援を担当。幼稚園から高校生まで約40人の子どもの居場所づくりが仕事だ。一口に「障害」と言っても種類、症状、家庭環境など十人十色。観察眼を会得するまで時間を要したと話すが、苦労こそがやりがいを生む。学習や集団適応が思うように出来ない子、自身の障害と向き合う子、進んで年下の面倒を見る子。自分の力で乗り越え、明日を切り開いていく姿が何よりの喜びだ。
○…施設管理者への抜擢、共生という新たな試みに戸惑いがない訳ではないと明かすが、行き着いたのは実にシンプルな答えだった。子どもと話すと元気をもらえるし、高齢者に接すれば優しい心が育つ。「仲良く楽しい場所をつくることが目標。その前に制度も勉強しなくちゃ」。意欲は尽きない。
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